09

May

シャープ、背が低くなって使い勝手アップの衣類乾燥除湿機「CV-P60」

シャープは4月下旬に、衣類乾燥除湿機の新製品「プラズマクラスター 衣類乾燥除湿機 CV-P60」(以下、CV-P60)を発売します。高さ約32cmというコンパクトサイズが特徴で、衣類の真下から風を送る「360°全周吹き出し」を採用。省スペースながら、2キロの洗濯物を約99分で乾燥できるそうです。価格はオープン、推定市場価格は37,000円前後。

4月下旬に発売予定のシャープの「プラズマクラスター 衣類乾燥除湿機 CV-P60」

シャープが行ったアンケート調査によると、除湿機の購入目的として、72.2%の人が「部屋干し衣類を乾かしたい」と回答。「部屋の湿度を抑えたい」と答えた47%を上回り、トップとなりました。

除湿機の2大用途は「衣類乾燥」「空間除湿」

部屋干しの頻度は、梅雨時期の99.5%を筆頭に、春が95.6%、夏が94.2%、秋が95.8%、冬が98.1%です。以上のことから、多くの人が年中問わず、冬場も梅雨の時期とほぼ同じ頻度で部屋干しをしていることがわかります。

大気汚染や花粉などの影響もあり、天候にかかわらず、いまや年間を通して行われている部屋干し

一方、除湿機の保有率の全国平均は23.9%。エリア別では、九州南部(41.4%)、沖縄(30%)、九州北部(30%)の高温・多湿エリアに次いで、北陸(43.1%)、東北(34.5%)、北海道(24.6%)といった積雪エリアでも高い保有率になりました。

地域別に見る除湿機の保有率

シャープによると、天候不順や清潔意識の向上によって、除湿機の需要は高まっているとのこと。加えて、近年は共働き・少人数世帯が増えていることから、今後も微増傾向と予測します。

なお、シャープは2010年度に衣類乾燥除湿機を発売し、以降、2015年度に2機種、2019年度に4機種、2021年度に5機種を発売。消費者のニーズに応じたラインナップの拡大を続け、約5倍の事業規模にまで成長しているとのことです。

シャープの衣類乾燥除湿機の歩み

除湿機の不満点として多いのは「本体サイズ」と「乾きムラ」です。また、部屋干しに利用しているアイテムは、「物干しラック」が46.7%を占めました。

除湿機の不満点と、部屋干しに用いるアイテムのトップ5

こうした不満点の解消と使い勝手の向上を図るために、このほど発表した新製品の「CV-P60」は、ロー&コンパクトサイズの省スペース化が第一の特長。特に高さを抑えている点がポイントです。従来のコンパクトモデル「CV-P71」が高さ52cnなのに対して、CV-P60の高さは32cmと約38%も小型化されています。ちなみに設置面積も、幅30×奥行き30cmとコンパクト。

従来のコンパクトモデル「CV-P71」に比べて、新製品「CV-P60」は高さが4割近く抑えられています

小型化を実現するために、本体の内部構造を刷新。従来は縦に配置していた熱交換器や除湿ローター(乾燥剤)、PTCセラミックヒーター、ターボファンといった主要部品を、横向きに設置することで高さを抑えました。

シャープ、背が低くなって使い勝手アップの衣類乾燥除湿機「CV-P60」

新製品のCV-P60(左)は、主要部品を横向きに配置。従来モデル(右)は、主要部品を縦に並べて配置していました

また、従来はルーバーを使って、乾燥させる衣類に対して前方から除湿した風を当てていました。今回のCV-P60は、本体の天面部分に設けた360°全周の吹き出しから風を送り出す、サーキュレーターのような構造に変更。本体内部のファンから横向きに吹き出す風を、ケーシングと呼ばれる内枠にぶつけて垂直方向に整流し、ルーバーでさらに風の向きを制御するという仕組みを採用しています。

360°全周吹き出しの仕組み

全高を低くしたことと送風方法を変えたことで、洗濯物の真下に設置して風を効率的に当てられるように。結果、2kgの衣類を約99分で乾かせるようになりました。

本体の高さが32.3cmまで低くなり、洗濯物の真下に設置可能。ルーバーで斜め前方から風を当てるの従来モデルと比べて、風のロスが少なく乾燥スピードもアップ

CV-P60の除湿方式は「デシカント式」です。取り込んだ空気を除湿ローター(乾燥材)で吸着して乾いた風を送り出しつつ、ローターをPTCセラミックヒーターで温めて水分を蒸発させます。この水蒸気は熱交換器に結露して、水となってタンクに集まります。デシカント式は、ヒーターを使うため消費電力が大きくなりがちですが、冬場も除湿能力が落ちにくいのがメリット。部品も大型ではないため、コンパクト化しやすいという利点もあります。

デシカント式で除湿するCV-P60

安全性にも配慮して、ヒーターにはPCTセラミックヒーターを採用。過度な温度上昇をせずに目標温度の付近で維持し、赤熱状態になりません。ほか、12時間で自動的に電源をオフにする切り忘れ防止機能や、転倒時や強い衝撃を受けたときに自動で運転を停止する機能も搭載しています。

独自のイオン発生技術「プラズマクラスター7000」も。洗濯物に付着した生乾き臭や汗のニオイ、タバコ臭といったほかにも、カビ菌の増殖を抑制する効果が期待できるとしています。

「プラズマクラスター7000」を空間に放出。プラズマクラスターの適用床面積(目安)は約8畳

容量が約1.5Lの排水タンクも扱いやすい設計です。取っ手が付いて引き出しやすく、フタ付きで排水も簡単。内側には凹凸が少なく、洗いやすいのもポイントです。

扱いやすさに配慮した設計の排水タンク。容量は約1.5L

空気の吸い込み口には、空気清浄機と同等の約240μmという「目」のサイズを持つホコリブロックフィルターを装備。性能低下やカビの原因となるホコリの侵入を減らします。

ホコリブロックフィルター

定格除湿能力(50Hz/60Hz)は1日あたり5.4L/5.6L。乾燥容量は約2.2人分で、除湿可能面積の目安は木造住宅で7畳、コンクリートで14畳。消費電力(50Hz/60Hz)は、衣類乾燥(速乾)で510W/570W、除湿(自動)で480W/540W、衣類消臭で25W/25Wとなっています。

本体天面の操作パネル。衣類乾燥、除湿(自動)、衣類消臭という3つの運転モードを使い分けられます

本体サイズは幅30×奥行30×高さ32.3cm、重さは約6.7kg

なお、シャープは2022年度の衣類除湿乾燥機の新ラインナップとして、コンプレッサー式の製品を4モデル、ハイブリッド方式の製品を1モデル、3月17日に発売しています。推定市場価格は、ハイブリッド式のCV-PH140が77,000円前後、コンプレッサー式のCV-P180が72,000円前後、CV-P120が64,000円前後、CV-P71が42,000円前後。コンプレッサー式で冷風機能を持ったCV-P100が55,000円前後です。