つるの剛士「ママたちがお店で長話したくなる気持ちが理解できた」　2度の育休で気付いたこと

2度の育休で気が付いた母親の仕事

子育てをテーマにつるの剛士に聞く3回シリーズのパート2【写真：荒川祐史】

「おバカタレント」「イクメン」「釣り好き」「バイク好き」とさまざまな肩書を持つタレントのつるの剛士による「子育て」をテーマにしたインタビューシリーズ。2回目の話題は「育休」。聞き手は歌手の中村あゆみ。彼女がオーガナイザーを務めるママ応援イベント「ママホリ2021」（12月11日開催）に“パパ代表”としてつるのがMCで参加する。（構成・文＝福嶋剛）【写真】つるの剛士、1年前に買った新たな愛車を「ようやく納車」　クールな車体ショットが脚光中村（あゆみ）「つるの君と子育てをテーマにお話を進めていますが、今回は、つるの君が育休を取ったときのことを聞かせていただきます」つるの（剛士）「よろしくお願いします。育休は10年前に2か月、5年前に1か月の合計2回取りました。とにかく奥さんを休ませたくてハチマキ巻いて気合い入れてって感じでやりました」中村「やっぱり女性ってそれぞれいろんな体調があるから、すぐに回復できる人もいるし、時間のかかる人もいるし。だから休ませてあげることってそれからの子育てにつながる大切なことなんだよね」つるの「そうなんですよ。本当に体験してみないと分からなかったことだらけで、やっぱり母親の仕事って大変だし、すごいなって改めて思いましたね。奥さんは完全に休ませて『何もしなくていいから』と言って、毎朝5時に起きて当時は4人だった子どもたちの弁当をパーッと一気に作って、みんなを送り出してからのゴミ出しとか。実際に体験してみると皿洗い一つとっても、その前にいろいろとやんなきゃいけないことがいっぱいあって」中村「そうだよね。後片付けって、お皿を洗うだけじゃないものね」つるの「そんなことにようやく気付いたって感じだったんです。まず最初にお皿のごみを全部取って、ペットボトルのビニールも全部外して、テーブルを拭いて……皿洗いにたどり着くまでにいろいろとやらなきゃいけないことがいっぱいで、でもそれって実際にやってみないと気が付かなかったんですよね。今まで『お皿を洗ってあげました』みたいな“どや顔”をしてたんだけど、そんなもんじゃないっていう。『だったらやらないほうがまだまし』って言われるのも仕方ないなって分かりましたね」中村「でもそうやって、家事をやってみるとお互いの理解は深まるよね。それにしても5人のお子さんを育てている奥さんは本当に偉いよ」つるの「やっぱり僕が育休を取らないと現実的に大変だったと思います。育休を取った最初の1週間は新鮮で楽しくて『こんなの全然余裕だ』と思っていましたけど、1週間を過ぎると突然、何ともいえないつらさが襲ってきたんですよ。誰とも話さない一日がある。誰かの料理を食べたくなる。自分のやったことを誰も評価してくれないという寂しさ……」中村「それをしっかり体験できたんだね。外での仕事は評価されても家事って誰からも評価されないんだよ……」つるの「そこが大きかったですね。やっぱり家事は当たり前のことを毎日欠かさずやっているのに誰からの『ありがとう』もない。それに気が付いて超つらかったですね。何の評価もないことが当たり前だという。　昔ランチ時間にママたちがお店の前に自転車を並べて長話をしている風景を見て『何であんなに集まってたくさん話すことがあるんだろう？』って思ってましたけど、これを経験すると自分もランチに行きたくなる（笑）。理解者が1人増えるっていうのはすごく大きいんだなって思いましたね」中村「本当の意味で奥さんも助けられたんでしょうね。やっぱりホッとしたでしょ？」つるの「そうですね。今までは奥さんの話は右から左だったんですが、ちゃんと入ってくるようになりました（笑）」（続く）□つるの剛士　1975年5月26日生まれ。福岡県北九州市出身、藤沢市在住。「ウルトラマンダイナ」のアスカ隊員役を熱演した後、2008年に“羞恥心”を結成しリーダーとして活躍。09年、カバーアルバム「つるのうた」をリリースしオリコン1位を記録。将棋・釣り・楽器、サーフィン・野菜作りなど趣味も幅広く、好きになったらとことんやらなければ気が済まない多彩な才能の持ち主。2男3女の父親。

□中村あゆみ　1966年6月28日、福岡県出身。84年メジャーデビュー。85年、3枚目のシングル「翼の折れたエンジェル」が日清カップヌードルのCMに起用されて大ヒットを記録。2度の結婚後、99年、長女を出産。2021年12月11日に東京・品川ステラボールでNOKKO、MAX、hitomi、相川七瀬、土屋アンナらママアーティストたちと音楽祭「ママホリ2021～Genking Live」を開催。

福嶋剛