27

Mar

宅配ロボットの事例に見る理想と現実、なぜ実効性に疑問が尽きないのか 森山和道の「ロボット」基礎講座|ビジネス+IT

ITと経営の融合でビジネスの課題を解決する

ビジネス+ITとは?

ログイン

メルマガ登録

事業拡大

今年7回の0.25%利上げ想定、ミネアポリス連銀総裁「行き過ぎに警戒」も

2022/03/25

南ア中銀、3会合連続で利上げ ウクライナ紛争でインフレリスク

2022/03/25

日銀審議委員2候補など国会同意人事、衆院本会議で可決

2022/03/25

営業戦略

さらば!「うざい」モバイル広告、事例でわかる消費者に“刺さる”タイミングとは

2022/03/10

東京電力が挑んだ「顧客体験向上」、“倍の効率”で満足度130%増を実現した方法とは

2022/03/09

『セールス・イズ』著者が語る、成果に直結する「営業DX」の進め方

2022/03/04

コスト削減

このままでは危険な「SAP 2027年問題」、移行期間とコストを“半減”させる方法とは?

スペシャル

2022/03/16

どうしても残る紙の書類、テレワークの足かせに……一気に電子化する方法はあるか?

2022/03/16

悩み付きまとう「タクシーの領収書」問題、関係者全員の煩わしさを解消する方法

2022/02/09

組織改革

「法改正は急務」伝説の弁護士2人に聞く、「同性婚」議論進まぬ日本はどう見えるのか

2022/03/23

アクトグループが約20の口座情報を一元管理し、業務時間を「1/3」に短縮した方法

2022/03/18

業務改善プロが語るDX阻む「企業風土」、考えなしのツール導入は悪習慣を生むだけ?

2022/03/18

生産・製造

沈みゆく「紙媒体」、残り続ける「非効率」…今こそ必要な“出版DX”の進め方

スペシャル

2022/03/23

ウォルマート・ZARA・ユニクロは何が凄い? 小売業の「物流」が超重要と言えるワケ

2022/02/21

なぜダイキン工業は世界トップシェアになれたのか? インバータエアコン開発の裏側

2022/02/15

危機管理

原油「1バレル=100ドル越え」が続くと日本はどれだけヤバいのか

2022/03/18

サイバー攻撃の変遷、あの頃どう対策してた?「WinMX時代の情報漏えい」「WannaCry」

2022/03/17

ロシア制裁手段「SWIFT排除」の影響力とは? なぜ金融の「核兵器」と呼ばれるのか

2022/03/09

コンプライアンス

専門家に聞く「サステナブル商品」ヒットの理由、背後にある消費者マインドの変化とは

2021/12/24

ロレアルが推進する「本気のSDGs」、すでにほぼ全設備でカーボンニュートラル達成

2021/09/28

アップルの「児童ポルノ検出技術」計画が延期、なぜ全米から批判されたのか

2021/09/07

省エネ・環境対応

ロシア産原油禁輸に踏み切った米国の勝算は? シェール採掘もすぐにはできない事情

2022/03/11

【独占掲載】110社へのサステナビリティ調査で見えた3つのポイント

2022/01/27

味の素も取り組む、人・環境・利益のトリプルボトムラインとパーパス経営の関係

2021/11/19

業種・規模別

ロシアが支援? ウクライナ襲ったマルウェア「HermeticWiper」の脅威

2022/03/24

「第5次産業革命」をわかりやすく解説、ドイツ・米国・中国・日本の最新動向とは

2022/03/24

【19のグラフ】自動車幹部1000名調査に見るEVシフトや自動運転、日本の課題とは?

2022/03/22

  • ITジャンル

    IT戦略

    オードリー・タン氏も語る、デジタルによる「限界費用ゼロ」の超重要性

    2022/03/23

    オードリー・タン氏が日本人のために「デジタルとITはまったく別物」と語る理由

    2022/03/09

    なぜ「医療デジタル化」が遅れるのか? 1万2000人調査が示す日本の課題と解決策とは

    2022/03/07

    基幹系

    担当者の半数以上がストレス、データ分析“前”の業務はどうすれば効率化できる?

    スペシャル

    2022/03/09

    2年の猶予が設けられた「改正電子帳簿保存法」に、なぜ“今すぐ対応”すべきなのか

    2022/02/08

    「現場も喜ぶデータ連携」のコツは? プログラミングなしで“自動化”を推進する方法

    2022/01/24

    情報系

    花王「データ活用戦略」の秘密、“単なる分析”を超えて顧客理解を深めるOMO基盤

    スペシャル

    2022/03/23

    時間を「30分の1」に、パーソルテンプスタッフの問い合わせ業務が“劇的改善”した理由

    2022/03/22

    Twitterのつぶやきなど、顧客の「定性データ」からどうやって“気付き”を得るか?

    2022/03/18

    運用管理

    Windows 11にアップグレードする前に備えるべき、たった1つのこと

    2022/03/17

    ランサムウェアが依然1位、サプライチェーン攻撃の増加、サイバー脅威の最新動向

    2022/03/11

    「サーバの消費電力」がAI・機械学習の足を引っ張る? 高性能ならではの苦しみとは

    2022/03/08

    セキュリティ

    脱・10年前のセキュリティ、専門家が解説「自社を守るための5つの強化ステップ」

    スペシャル

    2022/03/24

    セキュリティ強化につながる「リモート環境・構築術」、2つの成功事例を解説

    2022/03/23

    「PPAP」名付け親が語る、PPAPの根本的課題。日本企業を停滞させる三大悪習慣とは

    2022/03/22

    ネットワーク

    IoT投資の世界市場調査(後編)、気になる1位は? 投資基準は結局「コスト」?

    2022/01/26

    IoT投資の世界市場調査(前編)、用途別トップ10は?成功事例と併せて解説

    2022/01/25

    2022年のIoT市場で注目の6大トレンド、42%が積極投資に意欲も企業間格差拡大のワケ

    2021/12/23

    モバイル

    テレワークで負荷増のデバイスセキュリティ、もっと柔軟で効率的な方法はないのか

    スペシャル

    2021/04/02

    テレワーク最大の懸念…“セキュリティ確保”がそう簡単ではない理由

    2020/08/28

    IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)とは何か? 5つのメリットで理解する最新無線LAN規格の詳細

    2020/06/03

    ハードウェア

    パナやホンダら8社で協会も発足、配送ロボットの普及本格化と今後の課題

    2022/03/03

    ストレージの第一人者が語るデータシェアの可能性、東北で芽吹くスーパーシティとは?

    2022/02/09

    「知能化ロボット」と「データドリブン」が倉庫と工場を変える

    2022/02/03

    開発

    RPAを導入したのに「成果が出ない」? 失敗企業の共通点

    スペシャル

    2022/03/04

    CI/CDとは何かをわかりやすく図解、具体的なツールや取り組み方とともに紹介する

    2022/03/01

    ローコード/ノーコード開発市場が24.3%の大幅増、2023年度には1,000億円規模に

    2022/02/18

  • イベント・セミナー
  • スペシャル
  • ムービー
  • FinTech Journal
  • メルマガ登録

  • ビジネス+ITとは?

    宅配ロボットの事例に見る理想と現実、なぜ実効性に疑問が尽きないのか 森山和道の「ロボット」基礎講座|ビジネス+IT

  • 営業戦略
  • コスト削減
  • 組織改革
  • 生産・製造
  • 危機管理
  • コンプライアンス
  • 省エネ・環境対応
  • 業種・規模別
  • 基幹系
  • 情報系
  • 運用管理
  • セキュリティ
  • ネットワーク
  • モバイル
  • ハードウェア
  • 開発
  • 関連ジャンル

    宅配ロボットの事例に見る理想と現実、なぜ実効性に疑問が尽きないのか

    森山和道の「ロボット」基礎講座

    屋内だけでなく屋外、街中での移動ロボットも注目され始めた。これまではもっぱら工場内などで用いられるに止まっていた移動ロボットが屋外、しかも人がいる街中に出てこようとしている。「宅配」が主な用途として注目されているが、それは正しいのだろうか。今回は宅配ロボットの事例をざっと見てみよう。

    サイエンスライター 森山 和道

    サイエンスライター 森山 和道

    フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。

    <目次>2017年の夏も暑い日が続いているが、搬送ロボットも熱い。物を運ぶロボットだ。特にピザなどの食べ物をデリバリーしてくれるロボットにはわかりやすい派手さがあって、多くの人が面白がって飛びついている。海外での取り組み例が多いが、日本でも7月にZMP社から「CarriRo Delivery(キャリロデリバリー)」というロボットを使って「銀のさら」との実証実験を進めていくとの発表があり、多くのマスコミが取材に来ていた。ZMP社からは主に法的整備の必要が訴えられていたが、率直に言うと、法的整備以前の段階にあるように見えた。外見はともかく技術的にもまだまだだ。しかしながら、業務用の屋内移動AGVの記者会見ではこれだけのメディアは集まらない。ロボットが宅配寿司を持ってくる──。そのわかりやすい未来像を多くの人が面白がっている。連載一覧

    ▲ 閉じる▼ すべて表示

    ただ私は宅配ロボットにどのくらいの実質的な意味があるのかについては、かなり疑問に思っている。まず、自動搬送ロボットが歩道や車道を移動できるようになる日は、少なくとも日本では、まだまだかなり先だろう。技術的/法律的な面をクリアしてロボットが歩道を動けるようになったとしても、では時速どのくらいまで我々は許容できるだろうか。通常のフード宅配はスクーターと徒歩を組み合わせて、できるだけ素早く宅配しようとしている。たとえば彼らは横断舗道を渡るために、わざわざ一度エンジンを止めてスクーターを押して道路を横断したりしている。彼らと同じ速度で動いて配達を実現するのは、技術的にも運用上も、かなり難しいだろう。当然、移動速度はかなり遅い速度に制限されることになる。せいぜい徒歩よりも多少早く、自転車よりも遅いくらいにとどまるだろう。移動速度が遅いとなると、宅配可能な範囲は狭くなる。もっとも、ロボットだけで宅配する必要は別にない。人とロボットが適宜使い分けられることになるとしても、ピザ屋から近い場所のほうがロボット宅配になって余計な時間がかかってしまうようでは本末転倒だ。それよりももっと難しいのは、搬送ロボットが仮に家の前までちゃんと移動できたとしても、そこからどうするのか、という問題だ。現状のロボットに呼び出しブザーのボタンは押せない。集合住宅のインターホンも操作できない。そうすると、一軒家あるいは集合住宅前から、もう一度ユーザーに対して電話でもかけて取りに来てもらうのだろうか?そうなると、ユーザーに対して新たな労力を強いることになる。そのぶんは割引サービスでも実施するのだろうか。そのコストはどうやって賄うのだろうか。考えるときりがない。ロボットにとって本当に難しいのはこういった最後の接触部分なのだが、その部分を考えずに絵空事だけ言われていても、正直ピンとこない。また、通常の宅配便などの状況で、これまで2人で押していた搬送用ワゴンが自動化されて、1台は人の後をついてくるようになったとしよう。そうすれば確かに1人が1度に運べる荷物の量は増える。それは全体で見ると人手不足解消にはなるかもしれないが、現場はよけい苦しくなってしまうのではないだろうか。現場の人の負担が増してしまうような方向の技術の発展は望ましいのだろうか。色々な疑問がわいてくる。少なくとも実用化するためには、現在の動くワゴンのような台車ロボットの技術だけでは不足している。フード宅配という分野において単純に配達を自動化しようと試みるのはあまり筋が良いようには思えない。そうはいっても、少なからぬ人たちが熱視線を送る理由もわかる。いかにも「未来のロボット活用」といった印象を受ける、派手さのある使い方だからだ。それに、細かいことをグダグダ言っているよりも、とりあえずできることから色々試してみようよというほうが前向きと感じられるというのもある。やっているうちに新たな現実的な用途が見つかったり、巧みな切り出し方のような新たなアイデアが出ることもなくはない。何より、技術は現場で磨かれるものだ。何もやらないよりはやったほうがいい。それは確かだ。だから国内外で行われている実験は実用化とはだいぶ遠いと思うが、実験の試み自体は注目していきたい。そう思っている。今回は宅配ロボットをいくつかご紹介しておきたい。まず宅配ピザ大手のドミノピザは、2016年4月に「DRU(Domino’s Robotic Unit)」という宅配ロボットを「世界初の自動運転デリバリーロボット」と銘打って発表した。オーストラリアのクイーンズランドでデリバリー実験をしたという。ちなみに同社は2013年からドローンを使ったピザ宅配にもトライしている。これらは世界中で話題になっていることからもわかるようにプロモーションを兼ねているのだろうが、無人配送、自動配送に対して、かなりの期待と投資を行っていることも間違いなさそうだ。さてこのDRU、Marathon Targets社のロボットだった。同社は軍事用のターゲットロボットなどを開発している企業だ。射撃のターゲットとなるロボットである。同社のYoutubeチャンネルには多くの動画が公開されている。こちらのロボットも一部メディアで話題になったので覚えていらっしゃる方もいるだろうと思う。ところが、2017年3月末に、ドミノピザはMarathon Targets社のロボットではなく、Starship Technologies社の6輪タイプの配送ロボットを使ってピザの配送実験を始めるとの発表が行われた。ドイツとオランダの一部の都市で、半径1マイル(約1.6km)以内で配達を始めるという。なぜプラットフォームを変えたのかはわからないが、まだまだ色々試している段階だということなのだろう。いまの段階では実際に配送するロボットそのものよりも、それらを管制するシステム自体のほうを重視して、テストを積み重ねている段階なのかもしれない。【次ページ】もっとも注目されている宅配ロボット企業とは?

    お勧め記事

    一覧へ

    一覧へ

    PR

    SBクリエイティブ株式会社

    ビジネス+ITはソフトバンクグループのSBクリエイティブ株式会社によって運営されています。

    ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!