ゴミ捨ても3.5カ月に1回!スマートフォンの充電コードまで認識する3D物体認識センサー搭載ロボット掃除機「DEEBOT OZMO T8+」
最近ひときわロボット掃除機コーナーを賑わすメーカーがある。それがエコバックスだ。エコバックスは、数万円で買える安価な製品から、10万円台の本格的なロボット掃除機まで、幅広い機種をラインナップ。さらには窓拭きロボット掃除機もリリースし、販売店のロボット掃除機コーナーを賑わす。
今回紹介するのは、エコバックスの中でもハイエンド機の「DEEBOT OZMO T8+(ディーボット オズモ ティーエイト プラス)」だ。
ひと目でわかるとおりRoombaの上位機種およそ14万円のi7+や、19万円のS9+と同様に、ゴミを自動的に回収する充電スタンドが用意されているのがポイントだ。
中でも技術的に目を見張るのは、光学式ToFセンサーを使った部屋の探索と、構造化ライトを使った目前の障害物の立体認識。他社とはまったく異なる部屋探索、障害物検知のアプローチだが、驚くほどの精度と速さ、賢さに驚かされる。
最先端技術を搭載し、独自のマッピングや障害物回避を行なう「DEEBOT OZMO T8」は“なに”がスゴイのかを検証していこう。
以前の記事「レーザーマッピング技術の最高峰! これはお値打ちモデル!!」で紹介した「DEEBOT OZMO 950」。およそ5万円という価格ながら、他社の10万円クラスのロボット掃除機と同等の機能を持ち、レーザーで部屋の形を認識してスマホとも連携できるという、めちゃくちゃコストパフォーマンスの高いロボット掃除機としてご紹介した。
ここで紹介する「DEEBOT OZMO T8」は「DEEBOT OZMO 950」の上位モデルでかつ、「DEEBOT OZMO T8+」というモデルはロボット掃除機のゴミを自動的に回収してくれる「自動ゴミ収集スタンド」が標準装備されている。
「DEEBOT OZMO T8」本体の特徴は、レーザーによるD-ToF(ディートフ)という技術を使った空間を測定。それを解析しロボット掃除機に応用したのは、エコバックス独自のTrue MappingTM(トゥルーマッピング)テクノロジーだ。加えて前方にある障害物の高さを、ストライプの赤外線を照射して、カメラで立体的に捕らえる3D構造化ライト技術を使った独自のTrue DetectTM(トゥルーディテクト)テクノロジーも搭載されている。
技術解説は後回しにして、結果から言うと従来型のレーザー探索+マッピングでは、近くの障害物ははっきり捕らえられるが、5~8メートル先の障害物となると「ぼんやり」という感じだった。しかしD-ToFを使った本機は、およそ10メートル先まで「はっきり」見通しが利く。
その結果、途中に障害物のないところはスピードを上げてスイスイ進み、障害物近くになると各種センサーを駆使して、床においてある家具にはじまり、子どもの広げたおもちゃ、取り込んだ洗濯物から受け取った荷物、さらには人やペットにぶつからないように、慎重に走りながら掃除する。障害物のないところは猛スピードで走るにも関わらず、障害物のあるところは慎重に、かつ衝突しないという、大胆だけど慎重なロボット掃除機に仕上がっている。
もちろん吸い取り掃除と同時に、床を水ぶきしてくれる機能も継承。夏の裸足族にとっては、珠玉のフローリングの仕上がりになる。
自動ゴミ収集スタンドは、充電ステーションとしての役割だけでなく「DEEBOT OZMO T8」が掃除した部屋のゴミを、ステーション内部の紙パックに回収。メーカーによれば週2回の掃除で30回分を貯めておけるということなので、3.5カ月に1度ゴミを捨てるだけという、超ズボラー生活ができる。
「DEEBOT OZMO T8」のTrue MappingTMテクノロジーを支えるのが、D-ToFと呼ばれる最新の精密距離測定&空間認識技術。D-ToFはレーザーを一瞬(パルス)照射し、それが壁などの障害物に反射して戻ってくるまで時間を測定している。
光の速度は、1秒間に地球を7周半できる秒速30万km/h。つまり数メートル単位の測定をするには、気の遠くなるほどの正確な時計が必要になる。これまで実用化が難しかったひとつの原因だ。
レーザーを発射してから戻ってくるまでの時間を半分にすれば、光の速度を元に距離を測定できるという理論。しかもアインシュタインによって、光の速度は不変と証明されているので、音波のように気温に左右される(気温15℃時340m/s、1℃上がると0.6m/s速くなる)こともなく、環境によって誤差がでない。
こうして「DEEBOT OZMO T8」のTrue MappingTMでは、煙突状の中にあるレーザーを回転させ、パルスを1秒間に7,200回発射することで、10m圏内の壁や障害物を把握する。
D-ToFの技術は、Googleなどをはじめ自動車メーカー各社が開発している自動運転に使われている最新技術。刻々と変わる周囲の状況だけでなく、歩行者や対向車の把握に使われている。「DEEBOT OZMO T8」はこの技術をいち早くロボット掃除機に取り入れたということだ。
これまでのレーザー探索方式との違いを詳しく説明すると、本1冊書けてしまうので、ここでは割愛するが、D-ToFが「遠くの小さな障害物もはっきり認識できる」のに対して、従来方式は「近くは小さなものでもはっきり認識できるが、遠くはざっくり」というマッピング方法だった。感覚的に言うと、D-ToFは飛行機が高度を計るデジタル距離計、従来式は潜水艦の「ポーン」というアナログのソナーという感じだ。結果としての機能は同じだが、精度や速さ、探索範囲がまったく異なる。
この技術により、先に簡単に説明したとおり、障害物のないところは速度を上げてスイスイ走り、障害物らしきものに近づくと、さらに詳細に障害物を調べるため、効率よく、そして素早く部屋を移動し、障害物を確実に回避して、早く掃除できるというわけだ。
「DEEBOT OZMO T8」はぶつからない!
「DEEBOT OZMO T8」に搭載されたTrue MappingTMを強力にサポートするのが、True DetectTMだ。本体前部には、カメラが内蔵されており、その左右から3D構造化ライトが照射されている。3D化構造ライトとは、ストライプ状の光りを物体に当てることで、起伏を照らし出すライト。もし床に起伏がなければ、ストライプは方眼のように投影される。しかし障害物や段差があると、投影される方眼に歪みが生じる。この歪みの度合いをカメラで調べることで、障害物の高さを判定するというものだ。
代表的なものでは、女性用下着の開発で胸の複雑な形状をモデリング化したり、アスリートのユニフォームを体にピッタリとフィットさせるなどの現場で使われる。「DEEBOT OZMO T8」では、前方にある障害物の高さや、階段センサーで検知できないマンション玄関などの低い段差を検出する。
ロボット掃除機の多くは、勇猛果敢に段差を乗り越えようとし、その高さをミリ単位で競い合っているが、いかんせん勇み足過ぎるようで、段差に乗り上げて立ち往生ということが多々ある。しかし「DEEBOT OZMO T8」は、構造化ライトを使い、目の前にある障害物の高さをチェック。もし2センチ以内なら乗り越える。そうでなければ立ち往生しないこと最優先に考え、無理をして乗り越えないようにする。他社にはない、段差に対する独特のアプローチだ。
とくに有効なのは、ペットの粗相。3×3×1センチ程度の障害は、ロボット掃除機が接触することなく障害物と判定できるので、外出中に掃除をして帰ってきたら悲惨な結果になることはないだろう。
おもちゃで実験!「DEEBOT OZMO T8」はペットの粗相にも対応!
さらに驚かされるのが、電線の回避だ。従来機種では、床に落ちていたスマートフォンの充電ケーブルを巻き込み、立ち往生していたなんてことがよくある。しかし「DEEBOT OZMO T8」は、構造化ライトとTrue DetectTMテクノロジーで進路上にあるコードを検知、それを迂回して掃除をする。筆者はこんな芸当ができるロボット掃除機を見たことがなく、おそらく世界初ではないだろうか? ちょっと感動を覚えるほどだ。
「DEEBOT OZMO T8」がコードを回避しているところ。高度な技術があってこそ可能となる
「DEEBOT OZMO T8」はゴミの吸い込みをするだけでなく、同時に水ぶきや乾拭きもできる。花粉などの微粒子系ゴミも取り逃さないためにも、同時に水拭きもするといい。使い方は簡単で、水タンクに水を入れ、モップユニットを本体に取り付けるだけ。本体にはマイクロファイバーモップが添付されているので、水洗いして何度でも使える。
なお水ぶきモードになっている場合は、じゅうたんやラグを避けて掃除するので、これらが濡れてしまう心配もない。
さらにオプションの電動クリーニングモップ(約11,000円 (税込))を本体に取り付けると、毎分480回の前後の振動を加えて、手で水ぶきするよりさらにキレイな仕上がりになる。とりあえず標準のモップを使ってみて、汚れ落ちが悪いという方のみ別途購入して使うのもいいだろう。
OZUMO Pro ストロング電動クリーニングモップ
フル充電した場合に掃除できる広さは、以下の通り。
条件 | 掃除できる広さ |
---|---|
フローリング(吸引のみ) | 200平方メートル、110畳相当 |
カーペット(吸引のみ) | 180平方メートル、99畳相当 |
フローリング(水ぶき) | 170平方メートル、93畳相当 |
一般的な家庭なら1度に、LDKに加え、もう1~2部屋ぐらいは余裕で掃除できる。もしそれ以上広いお宅であっても、1度充電して中断地点から掃除を再開できるので、吸引掃除だけなら、これ1台で1フロア丸ごとお掃除が可能だ。
「DEEBOT OZMO T8+」は自動ごみ収集スタンドが標準装備されているモデル。充電台もかねており、部屋の掃除が終わり本体が自動ごみ収集スタンドに戻ると、スタンドの吸引機で本体のダストボックスに溜まったゴミをきれいに回収。ゴミはスタンド内の紙パックに溜まるので、およそ30回分(約3.5カ月分)ゴミ捨て不要という。つまり季節の変わり目まで、ゴミ捨て不要ということだ。
2010年に世界ではじめて自動ごみ収集機能を持ったロボット掃除機を世に送り出したエコバックスだけに、信頼の機能だ。
「DEEBOT OZMO T8+」がゴミを回収しているところ
自動ごみ収集スタンドのゴミの吸い込み口はゴムで密閉され、本体内のダストボックスの両側に回収用の穴があるのでゴミが周りに散らからず、ダストボックスにもゴミが残らないのが特徴だ。
また、他社製品の中には、紙パックにプラスチックのシャッターが使われているものもあり、自治体によっては、せっかくゴミが散らからない便利なシャッターを切り取って捨てなければならないことがある。しかしエコバックスの紙パックのシャッターは紙でできているので、そのまま燃えるゴミとして出せるのが便利だ。
基本的なお掃除機能は、従来の「DEEBOT OZMO 950」と同じなので、以前の記事「レーザーマッピング技術の最高峰! これはお値打ちモデル!!」を参照していただきたい。
今回「DEEBOT OZMO T8」では、モップもつけて雑巾がけもするモードで掃除してみた。
部屋のあちこちに、おがくずと砂、ハムスターのごはんと擬似花粉を撒いて掃除してみた
ネコ砂やハムスターのごはんなど、少し大きくブラシで弾き飛ばしてしまうものを若干残したが、その他はほぼパーフェクトな掃除!
「DEEBOT OZMO T8」で毎日掃除すればゴミが残ることはまずないだろう。その他の砂やおがくず、花粉などもパーフェクトに掃除できた。掃除するときは、できるだけモップモードでお掃除することをオススメする。これなら裸足でフローリングを歩いても、一切ザラザラ感はない。
手探りで部屋の輪郭を探索する昔ながらのマッピングではなく、レーザー探索でかつこれまで成しえなかった最先端技術D-ToFを利用した高精度で高速なマッピングは、あたかもロボット掃除機が「人間の眼」を持ったように賢く空間や障害物を認識する。
さらにそれを強力にバックアップするのは、目前の障害物を立体的に捕らえ、ペットの粗相なのか? 電源ケーブルなのか? もしくは立ち往生しそうな障害なのか? を見分ける3D構造化ライトを使った3D True DetectTM。
これら革新的なエコバックス独自のテクノロジーを詰め込んだハイエンドロボット掃除機が、ゴミ自動収集スタンドつきで10万円程度で入手できるのは、リーズナブルと言わずなんと言おう。
しかも、この1台で水拭きまでやってくれるので、裸足族の足は、ツルツル・ピカピカのフローリングによろこぶことだろう。
もちろんスマートフォンと連携して掃除をスケジューリングしたり、立ち入り禁止区画をマップ上で設定したり、指定した部屋だけや部屋の一部だけを掃除したりなんてのもお手の物。
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