ダイソンのロボット掃除機が圧倒的進化! 「Dyson 360 Heurist」徹底レビュー
ダイソンのロボット掃除機は、上部についているカメラ「360度パノラマレンズ」で部屋を把握し掃除をする。初代モデルは、上部カメラにライトを搭載していなかったため、寝ている間や電気を消した暗い部屋を掃除する場合、非常に時間が掛かり、ナビゲーションの精度が低かった。
しかし新モデルではライトを搭載しているので、暗い部屋でもナビゲーションの精度を落とすことなく掃除できるようになった。
より多くの光を取り込みながら本体周辺360度を視認し、「インテリジェント SLAM(Simultaneous Localisation and Mapping) ビジョンシステム」で、現在位置や未清掃の場所を常に把握。カメラが進化したことでインテリジェント SLAMビジョンシステム自体も進化し、さらなる効率的な掃除を実現できたのだ。
本体上部中央に埋め込まれているカメラ「360度パノラマレンズ」。ダイソンのロボット掃除機は、初代からこのカメラの映像を解析して、部屋の形状や自分の位置を把握するという特殊なナビゲーションシステムを採用している初代はライトがなく暗い状態では掃除が苦手だった。しかしライトを搭載したことで、夜間のタイマー運転や人が不在の暗い部屋でも、効率よくキレイに部屋を掃除できるようになった家具の下などの暗い場所にもぐりこむと、自動的に強力ライトを点灯して視界を確保する探索・走行パターンも変更になり、掃除残しが少なくなった。ナビゲーションの要となるCPU(プロセッサ)が高速化され、1.4GHzのクアッドコアプロセッサにより、処理能力が大きく向上。掃除中に立ち止まって考えている時間も少なくなり、ほぼ確実に充電ステーションに戻れるようになっている。
さらに気がついたのは、段差の回避ロジックだ。初代に比べて、段差を乗り上げる際、少し乗ってみて、いけるかどうかを確認してから上っているようだった。またもし立ち往生しそうになった場合でも、いろいろなパターンで脱出を試みるように改良されたように感じた。これにより段差で走行不能になる率は大きく下がったと思われる。
ロボット掃除機で勇逸の無限軌道(キャタピラ)走行なので、段差の乗り越えには強いが、細い棒状のものを跨いでしまうと、両輪が浮いてしまうので、段差の乗り越えを慎重にするのが特徴「Dyson 360 Heurist」走行の様子また本体の直径そのものがブラシ幅になっているため、小型のロボット掃除機ながら、大きな掃除機以上にブラシ幅がある。つまり少ない折り返し(ストローク)で広い部分を掃除できるのだ。
それゆえ家具ギリギリをカーブする際、1cmほどのブラシの出っ張りが引っかかって、進行方向を変えてしまうことがある。先代では進行方向を補正するのが苦手だったが、Heuristでは進路補正の精度が向上していた。
ブラシの幅をおよそ22cm。ロボット掃除機の中では一番の幅広のブラシを持っている本体の直径より出っ張って配置されているブラシ。このおかげでロボット掃除機特有の前方にあるサイドブラシがなく、ゴミをはじくことがないさらに先代から引き続きの弱点として、前方にサイドブラシがないためコーナーの隅が掃除できないという指摘があった。しかしそれは、大きな間違い。
写真の通り、サイドブラシを持っていなくても、コーナーもきれいに掃除してくれる。逆に言えば、「サイドブラシを持っている=コーナーがきれいになる」というものではない。つまりサイドブラシが回転することで、かえってゴミを回りに巻き散らかしてしまう機種も多いということだ。
サイドブラシがないので、コーナーのゴミを残すのか? と思いきや、壁際までブラシを寄せる独特の走行パターンむしろサイドブラシがないことでゴミを弾き飛ばさないので、コーナーのきれいさはロボット掃除機でナンバーワンと言える部屋のマッピングは完璧で掃除のやり残しはない家具が斜めに配置されている(コーナーのローボード)部分は少し弱いようだ部屋のアチコチに仕込んだゴミは、ほとんどきれいに回収している若干の取りこぼしもあるが、誤差と見ていいレベルださらに広い部屋を掃除して電池が切れそうになると、自動的に充電ステーションに戻り、充電完了後に中断地点から掃除を再開する機能も高精度に位置情報を把握しているようだ。
充電台への帰路やドッキングも精度が高い。とくに途中で電池切れするほど広い範囲を掃除させると、電池切れを起こした瞬間、最短距離で充電台に戻る姿は拍手ものだ