家を建てるのに良い季節はある? 注文住宅のタイミングを見極めるポイント
家を建てるのにどのくらいの期間が必要?
注文住宅のタイミングを見極めるためには、まず工期がどのくらいになるのかを押さえて、逆算できるようにしておくことが大切です。工期はどのような工法やプランを選択するかによっても大きく左右されるものの、一般的な注文住宅の工期は「3~6ヶ月程度」が目安となります。
工期の目途としては、ローコスト住宅などの短期間での施工が可能な場合は2~3ヶ月、設計事務所などに依頼をして設備や間取りを特注する場合は5~6ヶ月程度が目安です。着工のタイミングは、基本的に引き渡しの希望日に合わせて決めることになるため、事前に具体的なスケジュールを把握しておきましょう。
家を建てるのに適した季節とは?
住宅を建てるタイミングについて、季節はどのような影響を与えるのでしょうか。ここでは、季節と着工時期の関係性について解説します。
住宅の着工に適した季節はある?
一般的に、基礎工事にあたるコンクリート打ちは、夏場や冬場を避けて気温の安定している春や秋が適しているとされています。その理由は、固まる前のコンクリートが外気温の影響を受けやすいためです。
また、住宅の建材として使用される木材がぬれてしまうことから、雨の多い梅雨の時季には施工を避けたほうがいいと考えられるケースもあります。こうしたポイントを踏まえると、「4~5月の着工」「梅雨の時季までに屋根の組み上げ」もしくは、「10月~11月の着工」が理想的なスケジュールといえそうです。
季節による影響はそれほど気にしなくても大丈夫?
上記のような理由から、家づくりの工程においては、季節によって配慮が必要なポイントもあります。しかし、多くの建築会社は季節による条件の違いを考慮したうえで、それぞれ適切な対応をとっています。
たとえば、冬場のコンクリート硬化不良を避けるために凍結防止剤を利用したり、しっかりと適切な環境を保つ「養生」をしたりすれば、気温による影響を防ぐことが可能です。また、梅雨に関しては、乾燥期間を十分に設ければ、雨による影響を避けることができます。
この時季の施工においては、あらかじめ乾燥期間を工期に組み込んでいる場合も多いため、特に問題がないケースがほとんどなのです。そのため、季節による影響については、むやみに神経質にならなくても問題はないといえるでしょう。
そのうえで、どうしても気になる場合は、建築会社に気象条件への対策方法を確かめてみるのもひとつです。内容や応対によっても、会社の信頼度を見極めることができるため、あまり遠慮をせずに質問してみるといいでしょう。
注文住宅を探す無料でアドバイザーに相談する家を建てるタイミングを見極めるポイント1:ライフステージに合わせて判断する
これまでに見てきたように、季節による影響は建築会社の対策によって避けることができます。そのため、ライフステージなどにも目を向け、依頼者自身にとってもっとも適したタイミングを見極めることのほうが大切です。
ここでは、特に着工のタイミングを慎重に判断すべきライフイベントを見ていきましょう。
出産を控えている場合
マイホームの購入を考える大きなきっかけとなるのが、妊娠や出産です。数あるライフイベントのなかでも、世帯の構成人数が変化する重要なポイントとなるため、住まいの環境に目を向ける機会も増えます。
出産が控えている場合には、心身ともに負担がかかりやすい時期となるため、着工のタイミングを慎重に考える必要があります。特に出産前後はほとんど身動きがとれないため、この時期に入居や引越しが重なってしまうのは避けるべきだといえます。
出産の時期を考慮してくれる建築会社も多くなっているので、まずは気軽に相談してみることが大切です。たとえば打ち合わせだけを先に進めて、家庭の状態が落ち着くまで施工はストップしてもらえるといったケースもあるので、柔軟に計画を立てましょう。
子どもの進学に合わせて引越しを考えている場合
子どもの進学もマイホームの購入を考えるきっかけのひとつだといえます。このときに考慮しておきたいのは、引越しによる学区の変更です。
引き渡しの時期によっては、せっかく学校に慣れたタイミングで引越さざるを得ないといったケースもあるため、慎重に着工時期を検討しましょう。進学や進級のタイミングで引越しをしたい場合には、3月ごろに引き渡しが行われるように逆算する必要があります。
家を建てるタイミングを見極めるポイント2:資金計画から考える
家を建てるタイミングについては、資金計画の面から考えることも大切です。そのなかでも特に重要なのは、頭金がいくら貯まっているかということ。
頭金を貯めるメリットは、住宅ローンの借入額が少なくなることにあります。フルローンを組むよりも利息負担分が小さくなるため、総支払額が少なくなり、返済計画も立てやすくなるのです。
また、「フラット35」のように、一定以上の頭金を用意することで利率自体が低くなる住宅ローンもあります。そのため、住宅を購入する多くの人が住宅購入総額の「1~2割程度」の頭金を用意しています。
ただ、住宅の購入時には各種税金や手数料など諸費用がかかる点に注意が必要です。注文住宅の場合、諸費用は住宅購入費用の3~6%程度が目安とされ、そのうちの多くは現金で用意しておく必要があります。
購入後には家具や家電の購入費用などもかかるため、自己資金のすべてを頭金に充てるのではなく、一定の金額を手元に残しておくことが大切です。
注文住宅を探す無料でアドバイザーに相談する補助金の仕組みにも目を向けておこう
新築住宅を購入する際には、一定の要件を満たしていればさまざまな補助金を受けることもできます。補助金には利用できる時期が決まっているものもあるため、制度の仕組みからタイミングを見極めることも大切です。
ここでは、2021年に利用できる補助金をいくつかピックアップしてご紹介します。
すまい給付金
すまい給付金は、2021年7月現在、収入額が775万円以下の世帯を目安に、住宅を購入した場合に受けられる補助金です。新築と中古、住宅ローン利用の有無によって要件は異なり、支給される金額も最大で50万円の枠内から給付基礎額と持ち分割合に応じて変化します。
すまい給付金の適用条件や制度は、経済情勢などによって年度ごとに細かく変動する可能性があるため、最新の情報を確認しておくことが大切です。
ZEH補助金
ZEH(ゼッチ)とは、(ネット)ゼロ・エネルギー・ハウスの略です。一定以上の水準を満たした省エネ化と再生エネルギー設備の導入により、使用エネルギー量より生み出すエネルギー量のほうが多く、年間エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロまたはマイナスの住宅のことを指します。ZEHとして認定された物件は「ZEH支援事業」という環境庁の補助金制度で60万円が支給されます。
ZEHについては、環境への負担軽減を目的とした政府の方針で、今後も広く普及されることが決められています。2030年にはすべての新築住宅をZEHにすることが目標とされており、実際に年々増加傾向にあるため、いずれは現在の補助金制度が打ち切りとなる可能性も十分に考えられます。