2021年年末調整の書き方<3> 「給与所得者の扶養控除等
毎月天引きされる所得税はどうやって決まる?
第1回でも触れたが、サラリーマンは毎月の給与明細に天引きされた所得税の金額が記載されている。今年2021年(令和3年)の所得税は「令和3年分 源泉徴収税額表」によりその月の給与の額から算出され、“みなし金額”がその月に納税されている。
「令和3年分 源泉徴収税額表」の「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」の299,000円以上302,000円未満の部分を見ると、「扶養親族等の数」が0人:8,420円、1人:6,740円、2人:5,130円、3人:3,510円……と、7人まで納税額(その月に天引きされる額)が記載されている。
「令和3年分 源泉徴収税額表」で社会保険料等控除後の給与が30万円の場合、独身(扶養親族0人)なら、その月は所得税8420円が天引きされる表の最後のページの注意書きには「扶養親族等の数」は「源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族をいいます」と記載されている。これを翻訳しよう。まず「配偶者」は旦那さんから見た奥さん、奥さんから見た旦那さん。「源泉控除対象」の条件は以下のとおり。
① 自分の合計所得金額が900万円(年収1095万円)以下 ② 配偶者の所得が95万円(年収150万円)以下
多くのサラリーマンは年収1095万円以下なので①の条件はクリア。配偶者がパート/アルバイトで年収150万円以下であれば②の条件もクリアとなる。配偶者が正社員として働いている場合は年収150万円を超えると思われるので人数にカウントされない。「控除対象扶養親族」は所得48万円以下の16歳以上の子や親が対象となる。仮に旦那さんが働いていて奥さんが専業主婦、高校生の子が1人なら扶養親族等の数は2人となる。
この扶養親族等の人数を確認するための申告書が「令和4年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」だ。奥さん(または旦那さん)、子どもを書き忘れることはないと思うが、別居の親などを書き忘れると毎月の納税額が増えることとなる。来年の年末調整でリカバリーはできるが、おそらくこの申告書に書き忘れる人は、そのまま何年も控除を受けることなく納税額が増えたままとなる可能性が高いので注意しよう。