ルンバ開発者が狙う、次世代ドローンの姿 オバマも一目置く女性起業家の次の一手
ドローンと言えば今、注目のテクノロジーだ。自律的に飛行する無人ヘリコプターのようなものだが、地上の様子を撮影したり、農作物の生育状態をモニターしたりする。アマゾンは、ドローンを使って配達まで行おうとしている。ホビイストの道具から産業で使える段階へ、今まさに変身を遂げようとしているのだ。
その中で、かなり本格的なドローン開発会社サイファイ・ワークスを起業したのが、ヘレン・グレイナーである。
飛行時間と無線欠点を補う
サイファイ・ワークスの技術の特徴は、フィラメントという極細のワイヤーである。このフィラメントは、送電と通信のために使われるものだ。
現在のほとんどのドローンは、自律飛行はするものの、電池が切れる前に充電基地に戻ってくる必要がある。そのために飛行時間が限られてしまう。また、通信面では、無線であると通信が遮断されたりして、せっかくモニターしている画像やデータがうまく送られてこないこともある。フィラメントは、その欠点を補う技術なのだ。
サイファイ・ワークスのドローンは、実はまずは軍事用に利用されることが目されている。不審な建物の中に敵がいないかを、ドローンが侵入して偵察するとか、敵が侵入して来ないように上空からモニターするといったような具合だ。
だが、通常の目的にも利用できる。このドローンはいつまでも飛んでいることができるため、たとえば倉庫や学校の警備などにも利用できるだろう。広い敷地をカバーできる監視カメラが、上空に設置されているようなものだ。
グレイナーはロボット開発者として有名な人物である。2008年にこの会社を起業する前は、アイロボットの共同創業者として知られていた。アイロボットは、ご存知、お掃除ロボットのルンバを開発、販売する会社だ。マサチューセッツ工科大学の学生時代の教授で有名なロボット研究者であるロドニー・ブルックスと、現在もアイロボット社のCEOを務めるコリン・アングルと共に創業した。