09

Jul

技術的にガチでスゲー! ロボット掃除機「新型ルーロ」はここまで進化した

新型ルーロで目を引きがちなのは、段差で「ヒョコ!」っと前足を伸ばす「アクティブリフト」。なんか動物的で可愛いし、見た目にも分かりやすいので評判だ。

段差を乗り越えるときに前足を伸ばすアクティブリフトも特徴でもソコだけじゃないんだ!

しかしそれ以上に革新的なのは「レーザーSLAM」という間取り把握機能。ちょっと難しい名前だが、今後のルーロシリーズを左右する技術だ。「SLAM」ってのは「マップ作成とその位置把握」という意味の流行り言葉なのであまり気にする必要はない。ポイントは「レーザー」を使って間取りを把握するという点だ。

これまでのルーロをはじめとしたロボット掃除機のほとんどは、ランダム走行か、壁伝いに走行して間取りを把握するというものだった。前者は部屋をランダムに走行して、時間をかければ掃除し残しがないという「確率に賭けている」もの。後者はハイエンドモデルに多い。

ランダムに走行し続ければ、いつかは掃除が終わるランダム走行パターン壁伝い走行で間取りを把握し、その中身を塗りつぶしていくという、やや賢い走行パターン

しかし新型ルーロは、より人に近い掃除スタイル。実は本体から出ている煙突のすき間からは、360度回転するレーザーが放たれている。船や潜水艦、航空管制などで、360度を見渡す全方位レーダーが使われているのを見たことがあるだろう。

技術的にガチでスゲー! ロボット掃除機「新型ルーロ」はここまで進化した

全方位レーダーは360度に電波(音波)を発射して、その反射から周囲を把握する。新型ルーロは電波の変わりに光のレーザーを発射して、その反射から周囲を把握している。

つまり新型ルーロは壁伝いに走行しなくても、充電台を出発した瞬間から、見える範囲の部屋の間取りを把握できている。しかも「自分の左側の3m先に壁、前はすぐ壁、右側は6m先に壁があるが、その前に小さな障害物が点々とある」というように、まだ自分が走行していない場所の空間や障害を把握できるのだ。

レーザーの反射具合から、部屋に立ち入らなくてもそこに部屋があると認識できるため、マンションなど同じフロアに何部屋もあるような複雑な間取りでも、複数ある部屋の全体の掃除プランを立てて、効率良く全部屋を掃除してくれるようになる。

新型ルーロの煙突は、スイッチ兼全方位レーザーだった! このすき間からレーザー光を発射しているとある港に入港中の貨物船のレーダー画面(中央)。新型ルーロは周囲を見回して、地図を見ながら部屋を掃除する。もちろん写真はキャプテンの許可をもらっている中央のルーロを囲むように光っている点線がレーザー。戻り具合も見るため、一瞬光らせ戻ってくる光を調べるので点線になる左のレーザーを解析したイメージ。上と左の直線は壁で、右下には2mほど離れて障害物(人)がある。スマホにこの画面は表示されないが、新型ルーロ内部ではこのように室内を把握している

従来の間取りの把握の仕方は、充電台から1歩進んで右に向き、直進すること20歩、突き当たりで左に曲がって、今度は10歩というように間取りを記憶する。だから曲がり角の角度も距離もかなりあやふやだ。まさに五里霧中を掃除するイメージ。

新型ルーロは、レーザーを使って間取りを調べるので、従来のマップより緻密で正確だ。さらにまだ通っていない場所の障害物の有無を把握できるので、何もないところは速度を上げてスイスイ走り、障害物近くでは慎重に走る。

障害物に当たらないから「部屋のモノを動かさない」という大きなメリットもある。床におもちゃなどがある場合は、それらを避けて掃除するのでロボット掃除機が押して動かしてしまうといったことがない。

これもスマホのマップには表示されないが、ルーロが内部に持っているレーザー探査した間取りのイメージ。紫が障害物。部屋の右側と左下は障害物がほとんどないので、スイスイ走る。左上は障害物が点在するので、慎重に走り左右と前を近距離用赤外線センサーで見張りながら走行する