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Sep

中古住宅購入にかかる諸費用の相場は? 物件価格別にシミュレーション

中古住宅購入時の「諸費用」とは 

中古の一戸建てやマンションを購入するときにかかる「諸費用」とは、物件そのものの購入費用のほかにかかる費用のこと。税金、登記費用、手数料など、さまざまな種類の費用がかかります。

中古住宅の場合、入居前にリフォームを実施する場合もありますが、そうなると物件価格+リフォーム費となり、費用はさらに増える点にも注意が必要です。

中古住宅の諸費用は、住宅ローンの組み方など個別のケースによって異なりますが、一戸建てとマンションともに相場は以下のとおりです。

中古住宅の諸費用の目安

これをベースとした概算では、物件価格が2,000万円の場合の諸費用は120~180万円くらい、3,000万円の場合の諸費用は180~270万円くらいが目安となります。

資金計画を立てるうえで注意したいのが、諸費用は住宅そのものの価格に含まれず、原則、住宅ローンの借入額に含まれないということ。

数百万円を現金で用意する必要があるため、住宅購入時には諸費用がどれくらいかかるのか事前に把握しておく必要があります。

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中古住宅の「諸費用」にはどんなものがある?

中古住宅購入にかかる諸費用の種類はさまざま。個別のケースによってかかる・かからないがありますが、代表的なものは次のとおりです。

◇「物件」にかかる諸費用の内訳と目安

・印紙税

売買契約書に貼る印紙代。

【目安】

契約価格1,000万超~5,000万円以下の場合2万円(2022年3月31日まで軽減措置あり)

・不動産取得税

不動産を取得したときに一度だけ課税されます。一定の条件を満たす不動産の場合、軽減措置により非課税となることもあります。

【目安】

固定資産税評価額×4%(2024年3月31日まで軽減措置あり)

・登録免許税

所有権の登記にかかる税金。登記の種類により一定の税率が定められています。

【目安】

固定資産税評価額×0.4~2%(建物のみ、2022年3月31日まで軽減措置あり)

・司法書士費用

上記の登記の手続きは、司法書士に代行を依頼するケースが多く、その報酬額は登記の種類などにより異なります。

【目安】1万~13万円程度

・住宅ローン抵当権設定登記(借入ありの場合)

住宅ローンを利用して家を購入するとき、金融機関が建物と土地に抵当権(借主がローンを返済できなくなった際、その不動産を担保に優先的に弁済を受ける権利)を設定します。

【目安】

住宅ローン借入額×0.4%

・固定資産税、都市計画税(精算金)

所有する住宅に対してかかる税金。土地・建物を1月1日時点で所有している人が、その年の1年分の税金を納めます。年の途中に引き渡しがあった場合は、精算金が発生します。

【目安】

固定資産税:固定資産税評価額×税率1.4%(標準税率)

都市計画税:固定資産税評価額×税率0.3%(上限)

・仲介手数料

不動産会社などが仲介する中古住宅(一戸建て、マンション)を購入したときにかかる手数料。売買契約時に半分、引き渡し完了時に残りを支払うことが多いです。

【目安】

売買価格×3%+6万円+消費税

なお、中古物件の中には、仲介者が入らない直接売買の物件があり、この場合、仲介手数料がかかりません。

ただ、トラブルを避けるため、宅地建物取引士などを立てることがほとんどです。また、不動産会社が売主の中古物件も、仲介手数料が不要の場合があります。

◇「住宅ローン」にかかる諸費用の内訳と目安

・印紙税

住宅ローンの契約書に貼る印紙代。

【目安】

2万~6万円程度

・融資事務手数料

住宅ローンの契約をする金融機関に支払う手数料。金融機関により異なります。

【目安】

3万~5万円程度。または借入額の1~3%程度

・ローン保証料

住宅ローンの返済ができなくなった場合に、返済を肩代わりする保証会社に支払うお金。フラット35利用時は不要。また金融機関によってはゼロ、毎月の金利に上乗せの場合も。

【目安】

借入額の0~2%程度

・物件調査手数料

住宅が融資基準に適合するかどうかの調査にかかる手数料。フラット35を利用する場合にかかります。

中古住宅購入にかかる諸費用の相場は? 物件価格別にシミュレーション

【目安】

一戸建て6万~8万円、マンション4万~6万円程度

・団体信用生命保険料(以下、団信)

住宅ローンを組むときに加入する保険の料金。世帯主に万が一のことがあって住宅ローンの返済ができなくなった場合、残債がゼロになります。

【目安】

特約付きの場合、通常金利+0.2~0.3%程度

・火災保険料、地震保険料

住宅ローンを組む際、火災保険への加入を必須としている金融機関がほとんど。地震に備える場合は、地震保険が必要となります。

【目安】

火災保険料は15万~40万円程度(10年一括契約の場合)

地震保険料は5万~25万円程度(5年一括の場合)

諸費用をシミュレーションしてみよう

中古住宅購入時の諸費用は、住宅ローンの組み方など、さまざまな条件によって異なりますが、物件価格と借入金額をベースとして概算諸費用のシミュレーションができます。

ここでは、500万円を頭金とし、残りを住宅ローンで借りた場合の諸費用を試算。仲介手数料はかからないものとします。

なお、シミュレーションはあくまでも簡易的な概算での目安であり、軽減措置や個別事情などは考慮していないため、実際にかかる諸費用とは異なります。より具体的な金額は、建築会社や不動産会社にお問い合わせください。

◇物件価格1,000万円、借入金額500万円での概算諸費用

仲介手数料:約38.9万円

登記費用・登録免許税:約20万円

住宅ローン抵当権設定登記:約7万円

売買契約書 印紙代:約3万円

固定資産税:約10万円

住宅ローン事務手数料:約5.4万円

火災保険料:約40万円

不動産取得税:約22.5万円

—————————-

諸費用合計:約146.8万円

◇物件価格1,500万円、借入金額1,000万円での概算諸費用

仲介手数料:約55.1万円

登記費用・登録免許税:約30万円

住宅ローン抵当権設定登記:約9万円

売買契約書 印紙代:約3万円

固定資産税:約10万円

住宅ローン事務手数料:約5.4万円

火災保険料:約40万円

不動産取得税:約33.8万円

—————————-

諸費用合計:約186.3万円

◇物件価格2,000万円、借入金額1,500万円での概算諸費用

仲介手数料:約71.3万円

登記費用・登録免許税:約40万円

住宅ローン抵当権設定登記:約11万円

売買契約書 印紙代:約3万円

固定資産税:約10万円

住宅ローン事務手数料:約5.4万円

火災保険料:約40万円

不動産取得税:約45万円

—————————-

諸費用合計:約225.7万円

◇物件価格3,000万円、借入金額2,500万円での概算諸費用

仲介手数料:約103.7万円

登記費用・登録免許税:約60万円

住宅ローン抵当権設定登記:約15万円

売買契約書 印紙代:約3万円

固定資産税:約10万円

住宅ローン事務手数料:約5.4万円

火災保険料:約40万円

不動産取得税:約67.5万円

—————————-

諸費用合計:約304.6万円

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諸費用を節約する方法

一度に大きな金額の現金を必要とする住宅購入時の諸費用は、少しでも抑えたいもの。ちょっとした工夫や努力で節約できるポイントを解説します。

・ローン保証料を見直す

住宅ローンの支払いができなくなった際に肩代わりしてくれるローン保証会社への保証料。

フラット35など、ローン保証がいらない住宅ローンを利用する、頭金を多く入れて借入金を減らすなどにより、節約できるケースもあります。

・団信への加入とともに生命保険を見直す

団信は、住宅ローンの契約者が返済途中で死亡や高度障がい状態となった場合、残りのローンが保険金で支払われる保険。フラット35など一部のローンを除いて、保険料は無料となります。

そこで、住宅の諸費用そのものの節約ではありませんが、団信への加入に伴い、高額な死亡保障を備えた生命保険を見直すことで、生命保険料を抑えることができる場合もあります。

・火災保険の補償内容を見直す

住宅ローンを組むのに火災保険への加入は必須ですが、保険会社や補償内容を見直すことで節約が可能。

すべての補償がパッケージになっているものではなく、必要な補償だけを選べる商品も登場しているので、わが家にとって最低限の補償内容に絞れないか、見直してみましょう。

なお、地震保険料は国で基準が決められており、地域や物件によって差はありますが、保険会社による差はありません。

・火災保険の契約期間を見直す

火災保険は最長10年の契約が可能ですが、同じ保険会社で1年契約を10年間繰り返す場合より、10年など長期契約の保険料を一括で支払うほうがトータルでは安くなります。

途中で解約しても、未経過期間分に応じた保険料が戻ってくるケースもあります。

・司法書士に依頼せず自分で登記

司法書士に依頼しなければ報酬は不要。自分で登記ができるか検討しましょう。ただ、自分で行う場合は、時間や費用もかかることを忘れずに。

・仲介手数料のかからない物件を選ぶ

中古住宅の場合、不動産会社が自社で所有する物件など、売主が直接売買に関わっている場合、仲介手数料はかかりません。仲介手数料が半額、無料などとして売られている物件もあります。

なお、仲介手数料の上限は物件の購入価格によって変わるので、物件自体の値引きが可能になれば、仲介手数料も安くなる可能性があります。

・フラット35の適合物件を選ぶ

すでに物件の検査を受けている中古マンションであれば、「適合証明省略に関する申出書」を取扱期間に提出することで、物件調査を省略でき、その分、費用が削減できます。適合物件は、フラット35のホームページで確認できます。

諸費用を考えるうえでのポイントと注意点

前述のとおり、諸費用は原則として現金払い。あらかじめまとまった現金を用意しておく必要があります。

ただし、現金を用意するのが難しい場合は「諸費用ローン」を利用するという方法も。諸費用を住宅購入の借入金額に組み込むことができるローンで、自己資金が少ない場合の大きな手助けとなります。

ただし、不動産取得税は組み込むことができない、借入金額が増えて月々の支出が多くなるなど、注意すべき点もあります。

住宅を購入するときは、ほかにも引越し代や家具家電の購入費などが発生し、出費がふくらみがちなもの。これらをふまえ、後悔のないよう資金計画を立てましょう。

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