【EVの素朴な疑問③】バッテリーの性能を表すkWhは、数値が高いと何が良いのか。Ahとの違いは? - Webモーターマガジン
使用できる電力量のことで、BEVの性能を表す単位
BEV(電気自動車)の性能を見る、重要な指針のひとつがバッテリー(電池)の容量だ。蓄えられる電力が大きいほど、より長い距離を走ることできるし、より多くのパワーを発することができる。電池の容量を示す単位はいろいろとあるが、EVには「電力量」を意味するkWh(キロ・ワット・アワー/キロ・ワット・時<じ>とも呼ぶ)を使うのが一般的だ。電力の量を示す単位だ。
kWhの「k(キロ)」と「W(ワット)」、そして「h(アワー)」の3つには、それぞれ意味がある。「k(キロ)」は1000の単位であることを示す。つまり「1kWh=1000Wh」だ。そして「W(ワット)」は電力の大きさを示す。電力(W)は電流(A:アンペア)と電圧(V:ボルト)を掛け合わせることで求められる。
つまり「W=A×V」。その瞬間に発生できる電気の力の大きさを示すものだ。そして、最後の「h(アワー)」は1時間を意味する。まとめると、1000を意味する「k(キロ)」、電力の大きさを示す「W(ワット)」、そして1時間の「h(アワー)」が「kWh(キロ・ワット・アワー)」だ。
その意味するところは「1000Wの電力を1時間の間、出力できること」となる。これを身近な家電に換算すると、「1kWh」は「500Wの電子レンジを2時間の間、動かし続けることのできる電力量」となる。
また、一般家庭の1日に使う電力量は8~18kWh。1か月では250~300kWhほどになるという。日産のリーフが搭載する電池容量は最大で62kWhだから、一般家庭の3日半から1週間ほどを賄える計算だ。また、リーフで4~5回のフル充電を行うと、一般家庭1カ月分の電気使用量と同じになる。電気料金の目安に覚えておくと良いだろう。
ちなみに車載用の12Vの鉛バッテリーには、主にAh(アンペアー・アワー)の単位が使われる。これは、クルマに装備される電装品どの製品も12Vであるというのが前提にあるからだ。それに対して、EVのバッテリーは搭載されるモーターを駆動させる目的であるため、電圧はモデルによって異なる。だから「Wh」の単位を利用するのだ。(文:鈴木ケンイチ)
バッテリーの表示にに使われるkWhってなに?3
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