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May

ロシアがウクライナに軍事侵攻 関西でも影響の長期化懸念|NHK 関西のニュース

ロシアによる軍事侵攻でウクライナでは、原子力発電所がロシア軍の攻撃を受けて火災が起きるなど、状況の悪化が続いています。こうした中、小麦価格の上昇や原油価格の高騰など、関西でも影響の長期化を懸念する声が上がっていて、企業などを支給する動きも広がっています。【京都市役所前の献花台 多くの花束】。ウクライナの首都・キエフと姉妹都市の京都市は、連帯の気持ちを示そうと、市役所前に献花台を設置し、花束を手にした人たちが次々と訪れています。51年前の昭和46年にウクライナのキエフと姉妹都市となった京都市。今回のロシアの軍事侵攻を受けて、ウクライナとの連帯の気持ちを示そうと2日、市役所前の広場に献花台を設けました。4日も花束を抱えた人たちが相次いで訪れ、市によりますと、手向けられた花束はすでに100を超えたということです。幼稚園児の娘と訪れた近くに住む30代の女性は、「ウクライナの人たちにも、家族がいるのだと思うと本当に悲しくて、何かできることをしたいと思ってきました」と話していました。また、京都市伏見区の男子中学生は、「ウクライナに栄光を」と、ウクライナ語で書いたメッセージを添えて花を手向け、「ウクライナの人のために何もできないのが悔しくて、何とか気持ちを伝えたくて花を持ってきました」と涙ぐみながら話していました。京都市は、この週末も多くの人が訪れることが予想されるとして、4日夕方、献花台の机を増やしました。京都市国際交流・共生推進室の小田佳美 副室長は、「花束やメッセージは写真に撮って、キエフに送ろうと思っています。たくさんの方からお預かりした気持ちをしっかりと届けたいです」と話していました。【老舗パン屋 小麦価格上昇傾向に懸念の声】。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を背景に、国際的な小麦の先物価格が上昇していることを受けて、奈良市の老舗パン屋からは懸念の声が上がっています。シカゴ商品取引所では、今回の軍事侵攻を背景に、世界有数の小麦の輸出国であるウクライナとロシアからの小麦の供給が滞ることへの警戒感が出て、小麦価格の上昇傾向が続いています。こうしたなか、昭和8年からおよそ90年間にわたって地元に愛されてきた奈良市の老舗パン屋、「ベーカリーフジタ」からは、影響の長期化を懸念する声が上がっています。店によりますと、このところ小麦の値上がりが続き、去年だけでも仕入れ価格が1割ほど上がったということで、来月からおよそ5年ぶりにパンの値上げに踏みきることにしています。商品のおよそ半数について5%から10%程度値上げするということですが、ウクライナ侵攻の影響が長期化して小麦の仕入れ価格がさらに上昇した場合、再び値上げを検討せざるをえないといいます。3代目の店主の藤田嘉彦さん(49)は、「小麦はパンの主な原材料で、小売価格に直接影響が出ます。戦争がないのがいちばん良いのですが、値上げもしたくないので、早く落ち着いてほしいです」と話していました。【和歌山県信用保証協会が相談窓口設置】。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で経済への影響も懸念される中、和歌山県の信用保証協会では、中小企業の資金繰りなどの相談に応じる窓口が設置されています。和歌山県信用保証協会は、今回のウクライナ侵攻を受けて、中小企業を支援する相談窓口を設置しました。中小企業診断士の資格を持つ専門家などが資金繰りのアドバイスを行います。これまでのところ、相談は寄せられていないということですが、ロシアなどとの直接の取り引きがない企業でも、原材料価格の高騰や輸出入の停滞などの影響が懸念されています。以前からの原油価格の高騰によって経営状況が悪化している運輸業などでは、さらに状況が厳しくなるおそれもあり、信用保証協会では、融資につなげる支援などを行うことにしています。和歌山県信用保証協会企業支援部の原田佳輝 副部長は、「小麦などの輸入の関係で事業の継続が厳しいといった相談があると想定しています」と話していました。相談窓口は、平日の午前9時から午後4時半まで、対面のほか、電話でも受け付けているということです。【兵庫県内の企業でも製品の輸出停止の動き】。ロシアに対する経済制裁が強まる中、兵庫県内の企業でもロシア向けの製品の輸出を停止する動きが出ています。姫路市に本社のある計数機メーカー「グローリー」は、金融機関向けの紙幣や硬貨の処理機などを製造し、ロシアにも輸出しています。会社では、物流の混乱に加えて、経済制裁の強化で金融機関との取り引きができず、製品の代金の回収ができないおそれがあることから、ロシアへの輸出の一時停止を決めたということです。また、ウクライナについても情勢の緊迫化を受けて輸出が難しくなっているということです。会社では、ロシアとウクライナでの売り上げが全体に占める割合は少なく、経営への影響は小さいとしています。担当者は、「いまの状況が長期化し、ほかの国向けの輸出や販売に影響が出ないでほしい。今後の状況を注視していきたい」と話していました。【パナソニック ロシアへの製品出荷原則停止】。パナソニックは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって物流が混乱していることなどを踏まえ、世界各地の生産拠点からロシアにある販売会社への家電製品の出荷など、今月は取り引きを原則、停止すると発表しました。パナソニックは、ロシアに販売会社を設けてテレビやオーディオ、調理家電など、幅広い製品を販売しています。発表によりますと、会社は、物流が混乱していることなどを踏まえ、今月は、世界各地の生産拠点からロシアへの製品の出荷などを原則、停止するということです。来月以降の対応は、現地の物流の状況などを見て判断することにしていて、パナソニックは、「現在のウクライナ情勢を大変、憂慮している」としています。一方で、会社では、▼ウクライナの支援にあたる日本のNGOや、▼隣国のポーランドに避難した人たちに対応するポーランド赤十字社に、あわせて2000万円の寄付を行ったということです。

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