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意外と知らないけど、知っていると得する「乾電池」のディープな話 - BCN+R

時事ネタ

意外と知らないけど、知っていると得する「乾電池」のディープな話 - BCN+R

2020/04/25 17:30

【家電コンサルのお得な話・8】 どの家庭でも日常的に使われているのに、あまり違いを意識せずに何となく使っている商品は意外と多い。その代表格でありながら、家電製品関連の記事でも取り上げられることが少ない「乾電池」について、ちょっとマニアックでディープな話をしよう。 乾電池は「マンガン電池」と「アルカリ電池」の二種類が一般に多く使われているが、読者のみなさんの多くは「長持ちする」というイメージだけで、全ての製品でアルカリ電池を使っているのではないだろうか。もしそうだとしたら、電池に思わぬ負荷を掛けていたり、製品の折角の性能を無駄にしている可能性もあるので注意が必要だ。  マンガン電池とアルカリ電池の特徴をそれぞれ比較してみよう。マンガン電池はリモコンのような高頻度にON/OFFの切り替え操作をする製品で間欠的に使うと、電圧が回復するという特性を持っている。そのため、家電製品のリモコンやキッチンタイマーなどは、マンガン電池を使いたい。 また、取扱説明書にマンガン電池の使用が記載されている製品で、アルカリ電池を使ってしまうと過放電をおこし、液漏れしてしまう可能性がある。 例えば、豆球使用の懐中電灯などだ。最近では地震や台風の際の防災用品として準備している家庭が多いが、長期間放置することが多い製品にアルカリ電池を使うと、液漏れする可能性が高くなるため、定期的にチェックすることが大切だ。こうした製品では、できればマンガン電池を使いたい。 ちなみに電池に含まれる電解液に直接触れると皮膚がただれたり、目に入ると失明する恐れもあるので、液漏れに気づいたときは、むやみに触ることのないように十分に注意していただきたい。 次に、アルカリ電池はマンガン電池と比べて2~5倍程度、寿命が長い。そのため連続で使う製品に向いている。パワーもマンガン電池より数倍強いため、例えばモーターを使った玩具など、大電流を使う製品に向いている。そのほか、携帯ラジオやICレコーダー、LEDの懐中電灯なども連続的に使用する製品としてアルカリ電池が適している。 マンガン電池の使用で推奨されることが多いON/OFFで間欠的に使う製品の中でも、ガスコンロのように着火に使う場合はアルカリ電池を指定している場合が多い。 最近ではアルカリ電池を使う製品が多いが、リモコンのようにマンガン電池が向いている製品にアルカリ電池を使うと価格も高くつく上、寿命が短くなる可能性があるため、経済的にも不都合が生じる。電池を使うときは、必ず取扱説明書で確認して、少しでもお得に使っていただければと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)■Profile堀田泰希1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。