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5,500万円の家を買うにはどのくらいの年収が必要? 購入予算の組み方と注意点

全体像を把握しておこう! 住宅購入予算を決める手順

住宅の購入予算を決めるときには、手順に沿って必要な項目を1つずつ明確にしていく必要があります。ここではまず、予算を決める手順を4つのステップに沿って解説します。

1.自己資金の金額を決める

予算を決めるにあたって、まず明確にしておきたいのは「どのくらいの自己資金を用意できるのか」です。住宅を購入するときには、諸費用として現金で支払わなければならない項目があるため、ある程度の貯金が必要となります。

また、住宅ローンを利用する場合であっても、一定割合の「頭金」を用意しておくのが一般的です。頭金には借入額を減らし、利息負担分を軽減できる役割があります。

さらに、一定割合以上を用意すれば、金利が安くなる「フラット35」のような住宅ローンもあります。そのため、住宅を購入する多くの世帯が「1~2割の頭金」を用意しています。

2.住宅ローンの借入金額を決める

自己資金の金額が決まったら、続いて住宅ローンの融資額を検討します。住宅ローン返済額については、後から詳しく見ていきましょう。

3.土地の購入費用を決める

土地の購入から家づくりをスタートさせる場合は、建物よりも先に土地の購入費用を決定することになります。土地に関しては、「購入費用」のほかにも「地盤調査費用」「地盤改良費用」といったコストがかかる場合があります。それらを含めた予算を考えましょう。

4.住宅の購入限度額を計算する

ここまでの項目が明らかになれば、自然と建物にかけられる限度額も明確になります。建売住宅やすでに土地を所有している注文住宅の場合には「自己資金額+住宅ローン借入額=住宅の購入限度額」となります。一方、土地の購入からスタートする場合は「自己資金額+住宅ローン借入額-土地の購入費用=住宅の建築費」となるのです。

家計から住宅購入予算を試算する

住宅ローン借入額の決め方と計算に必要な項目

続いて、住宅ローン借入額を決める手順について詳しく見ていきましょう。

借入額の判断に必要な項目

住宅ローンの借入可能額を計算するためには、以下の項目に目を向ける必要があります。

収入については、世帯主本人のみで計算する方法のほかに、配偶者との収入を合算して「世帯年収」で判断する方法もあります。ペアローン契約や収入合算契約などを利用すれば、夫婦の収入を合計して審査を受けられるため、借入可能額の枠が広がるのです。

年齢については、「借入時年齢」はもちろん、「完済時年齢」も重要なポイントとなります。多くの住宅ローンでは70~80歳が完済時年齢の上限となっているため、借入時の年齢が高ければ高いほど、返済期間を長くとるのは難しくなります。

返済期間の長短は、借入限度額や毎月返済額を左右する重要項目なので、早い段階で具体的なスケジュールを決めておくことが大切です。これらの条件に加えて、金利や返済方法による違いを把握しながら、最終的な毎月返済額と借入可能額を試算することとなります。

金利タイプによる違い

住宅ローンの金利には、「固定金利型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」の3種類があります。それぞれ以下のような特徴を持っているので、適したタイプを検討してみましょう。

メリット

デメリット

固定金利型

・安定した返済計画を立てられる

・スタート時の金利は高め

変動金利型

・スタート時の金利は低め

・金利上昇リスクがある

固定金利期間選択型

・経済状況に合わせてプランを変更できる

・金利上昇リスクがある

・変更回数が制限される

・返済額の上昇制限がない

固定金利型は「返済まで金利が変わらない」プランのことで、変動金利型は政策金利に合わせて「半年ごとに金利が変動する」プランのことを指します。

変動金利型はスタート時の金利が安くなるのがメリットである一方、途中で金利が上昇するリスクもあるため、返済計画を立てる際には注意が必要です。そのため、どちらかといえば、短期で返済を済ませられるケースに適しているとされます。ただし、返済額の上昇範囲は125%までと決められているので、極端に短期間で負担が増えることはありません。

固定金利期間選択型は、スタート時は固定金利で返済を行い、一定期間が経過したときに「改めて金利タイプを選択できる」プランです。経済の動向に応じて柔軟にプランを変更できる点が強みである一方、変動金利型のように上昇額の制限がないため、金利変動のリスクにきちんと目を向ける必要があります。

返済方法による違い

返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。

元利均等返済

元利均等返済は毎月の元利金支払額が一定となるため、返済計画を立てやすくなる点がメリットです。ただ、返済当初は利息部分の支払いが大きくなるため、なかなか元金が減らず、総返済額が大きくなってしまう点はデメリットです。

元金均等返済

一方、元金均等返済では元金部分を返済期間で均等に割り、残金に応じた利息分を同時に支払っていきます。そのため、返済当初の負担額が大きくなってしまう半面、総支払額は少なくなります。

どちらも異なるメリットを持っているため、ていねいに比較しながら適した方法を選択することが大切です。

住宅ローンについて調べる

5,500万円の家を買える年収の目安はどのくらい? 毎月返済額とともにシミュレーション

ここでは、実際にLIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を用いて、5,500万円の住宅を買うために必要な年収の目安をシミュレーションしてみましょう。なお、今回は試算にあたって以下の条件を設定します。

条件

住宅ローン5,500万円の「毎月返済額」「総支払額」

上記の条件で計算した結果は以下の表のとおりです。

5,500万円の家を買うにはどのくらいの年収が必要? 購入予算の組み方と注意点

毎月返済額

総支払額

頭金なし

16万8,401円

7,072万3,386円

頭金1割(550万円)

15万3,092円

6,429万8,491円

頭金2割(1,100万円)

13万4,721円

5,658万2,643円

たとえば、頭金を2割用意した場合は住宅ローン返済額を合計しても6,700万円程度となるため、頭金なしのフルローンよりも300万円ほど総返済額が少ないことが分かります。このように、トータルコストには大きな差が生まれるため、慎重に割合を設定することが大切なのです。

住宅ローン5,500万円を借りられる年収

融資額から必要な年収を割り出す際には、「返済負担率」が重要な指標となります。返済負担率とは「年収に対する年間返済額」を示す割合であり、一般的には25%以内であれば無理のない返済を続けられるとされています。

そこで、上記のシミュレーション結果から、返済負担率が25%に収まるような年収を計算してみましょう。すると、結果は以下のようになりました。

年収目安

頭金なし

808万円以上

頭金1割(550万円)

735万円以上

頭金2割(1,100万円)

647万円以上

フルローンを組む場合、返済負担率を25%以内に収めるためには、少なくとも年収800万円以上の年収が必要となります。しかし、頭金を2割用意することができれば、650万円程度まで水準が下がるのです。

なお、返済期間を35年よりも短縮すれば、さらに年収の目安が高くなってしまうので注意しましょう。

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予算を決めるときに意識すべき3つの注意点

購入予算の目安は、これまで見てきた手順に沿って行えばある程度明確に決めることができます。しかし、実際に予算を組む段階では、いくつか細かな点にも注意を払う必要があります。

ここでは、無理のない返済を行うための注意点を3つに分けてご紹介します。

諸費用にも目を向ける

住宅の購入時には、物件の購入代金のほかに税金や手数料などの諸費用が発生します。以下の表をもとに、諸費用の目安にも目を向けておきましょう。

諸費用の目安

維持費と生活費のために予備費を設けておく

住宅を購入してからは、固定資産税などの税金や修繕費用の積み立てといったランニングコストが発生します。そのため、単純に「家賃と同額の毎月返済額」を設定すると、必要な経費を十分に用意できなくなってしまうケースもあります。

新生活のための費用などにも目を向けると、自己資金をすべて頭金や諸費用にあててしまうのではなく、生活費数ヶ月分の現金は手元に残しておくほうが安心です。

収入状況やライフスタイルの変化にも目を向ける

住宅ローンの返済計画は、借入時の年収や家計状況に基づいて計算するのが一般的です。そのため、途中で収入が減少してしまうリスクにも目を向けておく必要があります。

また、子どもの進学や出産など、ライフイベントによって家計の支出が増える時期も想定しておきましょう。特に、「これから出産や子育てがスタートする」「親との同居予定がある」といった場合には、家計の変化をできるだけ細かくイメージする必要があります。

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予算について迷ったら専門家に相談を

住宅購入予算を決めるときには、さまざまな点に目を向けなければならないため、専門家にアドバイスをもらうのも1つの方法です。ここでは、住まいとお金を取扱う専門家の窓口について、2つの選択肢をご紹介します。

ファイナンシャルプランナー(FP)とそのタイプ別の特徴

ファイナンシャルプランナー(以下FP)とは、個人や家庭におけるお金の全般的な問題について取扱うお金の専門家です。「ライフプラン」「保険」「税金」「株式」といった幅広い分野について豊富な知識を持っているため、住宅ローンだけでなく総合的な視点から家計相談を行うことができる点がメリットです。

FPには銀行などに所属する企業系FPと、どこにも所属していない独立系FPの2つのタイプがあります。企業系FPは無料で相談できる点がメリットですが、所属する金融機関の取扱商品がテーマの中心となるため、さまざまな住宅ローンを比較することができないという面があります。

一方、独立系FPは相談料が発生してしまう半面、幅広い視点から客観的なアドバイスをもらえる点がメリットです。両者には異なる特徴があるので、ニーズに合わせた選択が重要となります。

「住まいの窓口」の仕組みと特徴

LIFULL HOME’S「住まいの窓口」では、住宅ローン相談をはじめ、「家づくり・家探し」の全般的なサポートを無料で利用することができます。特定の不動産会社や物件に偏らず、いつでも中立の立場でハウジングアドバイザーに相談が行えるので、客観的に情報を集めたいときに便利なサービスだといえます。

また、住まいの窓口を通じて、提携するFPを紹介してもらうのも可能です。そのため、「自分でFPを見つけるのが不安」といった場合でも気軽にご利用いただける点が大きなメリットです。

具体的な予算やプランが決まっていなくても利用できるため、マイホームの購入を検討した段階で相談してみましょう。

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まとめ

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