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日立のコードレス掃除機「パワーブーストサイクロン」レビュー、横並びの日本メーカーをリード!?

日立アプライアンスのコードレススティック掃除機「パワーブーストサイクロン」シリーズの最新モデル「PV-BFH900」(実勢価格は税別71,200円)が2018年9月に発売されました。登場したばかりで、価格は決して安くありませんが、業界のトップシェアを誇るダイソンを猛追する"ポスト・ダイソン"として意欲的なモデルに仕上がっています。

コードレス掃除機の悩みは「充電」と「収納」

コードレススティック掃除機の魅力は、わざわざコンセントにプラグを挿さなくても家中を掃除できる機動力の高さにあります。いつでもサッと取り出せてパッと掃除し、シュッと収納すればよいのが着目したいポイントのひとつです。一方で問題になるのがバッテリー持続時間の長さや吸引力、そして収納や充電のしやすさです。

日立のコードレス掃除機「パワーブーストサイクロン」レビュー、横並びの日本メーカーをリード!?

収納については、ライバルとなるダイソンのコードレススティック掃除機は以前から、パッケージ付属の壁掛けブラケットを使うことで壁に掃除機をかけておける仕様ですが、ブラケットは壁に穴をあけて設置しなければならないため、持ち家でも賃貸住宅でもためらわれる部分でした。最近は壁に穴をあけなくても、ダイソンの壁掛けブラケットを装着できるスタンドが他社から登場していますが、壁に穴をあけたり、別売のスタンドを用意したりせず、充電から収納まで手軽にできたほうが便利ですよね。

こうしたニーズに、充電と収納を同時にできる"充電台"という形でいち早く応えたのは、三菱電機が2016年5月に発売したコードレス掃除機「iNSTICK」シリーズでした。エレクトロラックスのコードレス掃除機「エルゴラピード」シリーズのように、重心が下にあるフロア掃除中心のモデルは、以前から充電台を採用するものが多かったのですが、上重心でハンディ掃除機に延長パイプを付けたようなダイソンスタイルのコードレススティック掃除機では、iNSTICKが先駆けでした。

その後、充電台を採用するモデルが東芝ライフスタイルや日立アプライアンスからも登場しましたが、充電台に収納するために延長パイプを外したり、掃除するときに延長パイプの取り付けが必要だったりといったひと間が難点でした。ようやく2018年秋、パナソニックの「POWER CORDLESS(MC-SBU820J)」(実勢価格は税別81,600円)、三菱電機の「iNSTICK ZUBAQ(HC-JXH30P)」(実勢価格は税別82,800円)、そして日立アプライアンスの「パワーブーストサイクロン(PV-BFH900)」が発売されます。

どれも掃除機をそのまま立てかけておける充電台が付属しており、充電台に置くだけで「収納」と「充電」が同時にできます。国内メーカーとしてはようやく、ダイソン追撃に向けて足並みがそろったという感じになったのです。

パワーブーストサイクロンはポスト・ダイソン!?

では、今回レビューするPV-BFH900の魅力はなんでしょうか。日立アプライアンスはもともと、自立スタイルのコードレススティック掃除機(下重心で、伸縮パイプを採用したもの)を販売していましたが、2017年からはダイソンと似たようなスタイル(上重心で、ハンディ掃除機に延長パイプやヘッドを装着したもの)もラインナップし始めました。

パワーブーストサイクロンの2017年モデルはアタッチメントが充実していて、「家中を掃除できる」とアピールしていましたが、延長パイプを取り外さないと収納・充電ができなかったため、決め手に欠ける印象でした。しかしPV-BFH900はその弱点を払拭し、延長パイプを装着した通常の掃除スタイルで収納・充電できるようになりました。筆者としては、これによってポスト・ダイソンの最有力候補になったのではないかと感じています。

PV-BFH900の魅力は「立てかけるだけで収納・充電できること」「細部まで練り上げた使い勝手のよさ」「豊富なアタッチメントで家中を掃除できること」にあります。ひとつひとつ紹介していきましょう。