コードレス掃除機「TC-E261S」レビュー:軽くて最高。でも絶対に粉だけは吸うな!
部屋にゴミやホコリが落ちていたらどうします?
1.あとでまとめて掃除したい2.いま掃除機を取り出して掃除したい
「見なかったことにする」っていう選択肢をなしにすれば、上のふたつのどちらかになると思います。さて、皆さんはどっちが好みですか? もし「2」だとするなら、今回レビューしたツインバードのコードレススティッククリーナーTC-E261Sとの相性が良さそうです。
特徴としてはやはり軽さ。重量は約1.5Kgと、コードレススティッククリーナーのジャンルでは最軽量クラス。世にあるコードレスタイプの掃除機は、バッテリー容量、吸引力、軽さと、何かを伸ばせば何かが凹むというジレンマの中で、技術開発やアイデアによる進化を続けています。
このTC-E261Sは、特に軽さにステータスをガン振りした存在です。重量だけの勝負なら、同レベルかさらに軽い掃除機もありますけど、「手軽に使える」「本体が軽い」「フットワークが軽い」「メンテナンスが手軽」それらすべてを含めての軽さを求めている点に、掃除機哲学を感じました。
結論からいえば、本当に軽くて良かったんですけど、結構デカ目のデメリットもあります。気になっている人は、最後まで読んでから決めてくれ!
リビングに向けたデザインは掃除の手軽さに繋がる
部屋の清潔さは相手の印象にも影響を及ぼします。だからこそ、汚れたらすぐに掃除することが大事。そういう意味では、リビングで掃除機を常に備えておくスタイルは正しい選択です。
TC-E261Sのシルバー&ブラックでシンプルなデザインは、リビングに馴染むスタイル。見せる家電として常に出しておいても恥ずかしくありません。なにより最高なのは、紙パック式だからダストボックスが見えないところ! 僕はいつも思うのですが、リビングに置くというのを前提として考えると、この要素は極めて重要。
ここまでコードレスタイプの掃除機が流行っている昨今。リビングに気軽なクリーナーを置いているお宅も多いでしょうが、「あれ掃除機? おしゃれだね〜」という来客者の発言の裏にある「うわっ、すごくゴミ溜まってるわ…」を意識したことがあるでしょうか?
もしないなら考えてみてください。他人の家のホコリや食べカスや髪の毛が、ダストボックスから透けて見えている様子を…。
でもTC-E261Sなら吸い込んだ綿埃、食べカス、髪の毛、すべて見えません。リビングに置いていたとしても、胸を張ってオシャレリビングを自負できます。汚したらすぐに掃除すれば、美しいリビングを維持できちゃう!
ちなみに、壁掛け用のフックも付属しますけど、お尻部分は滑り止めシリコンで、壁に立てかけておくだけでも滑り落ちません。壁に穴を開けたくない人のために。という、アイデアはすごく日本人的。掃除途中でちょっと壁に立てかけておけるってのも便利ですね。
充電もお手軽で、ACアダプターから伸びた端子を近づけるとマグネットでカチャッとくっつきます。MagSafe! MagSafeじゃないか! と古い友人に久しぶりに出会った感覚です。やっぱりお手軽で好き♪
なお、付属の壁掛けフックにセットすることで、壁掛けすると充電開始という手軽さもいい。
本体重量の軽さで、対・階段最強説
ロボット掃除機が踏み込めない聖域であり、掃除機かけにおいての最終試練。
そう、階段です。階段にはホコリを生み出す機能があるのか?と勘ぐってしまうくらいホコリが溜まりますよね。上げる、下げる、掃除機かける、また上げる…というハードワークを繰り返せざるを得ないフィールドです。そんな場所の掃除に求められるものはなんだ?と考えると、その答えは軽さと小回りができることなんですよね。
TC-E261Sは、僕が使った掃除機のなかでも、対・階段において最強でした。本体サイズも小さく、かといって短くなく、ヘッドもスムーズに動き、そして軽い(本体約1.5kg)。パーフェクトです。
人類の力では階段によるホコリの錬成を止めることはできなくても、それを極力エネルギーをかけずに解決できる策は講じられます。2階建て、3階建ての人はこれ、選択肢に入れた方がいいですよ。軽さはリビングや寝室といったい平地の掃除機かけの負担を減らすだけでなく、対・階段性能に直結します。
考えられた構造で軽いフットワーク
パワーブラシが無い掃除機は家庭向けとはいえない。
僕の持論です。だって家にはフローリングもあれば畳もありますし、カーペットだってあります。特にカーペットは回転するパワーブラシが無いと、ゴミを掻き出せないだけでなく、スムーズに動かせず腕への負担が蓄積し続けます。そして掃除の辛さが増えるばかり…。
その点、TC-E261Sには安心しました。地面に設置しているとブラシ部が回転し、床やカーペットのゴミを掻き出し、前後の動きもスムーズになります。やっぱり掃除機のヘッドにブラシは必須なんです。
そして、ここでも小回りが効いてきます。ボールキャスターと回転ジョイントのおかげでヘッド部は左右180度回転。
ちょっとの隙間も、持ち変えることなくスイスイと滑り込みます。これまでわざわざ動かしてから掃除機をかけていた観葉植物の裏も、おもちゃラックの後ろや下も、テーブルや椅子の足回りもこのヘッドなら楽勝です。ロボット掃除機が苦手とする場所に強いため、スポット掃除で大活躍。
ハンディ掃除機としても利用できます。デスクまわりやソファの隙間、車内掃除などでも活躍しますね。一般的な成人男性体型の僕でも軽さによる恩恵を感じているので、女性にとってもいいかも。
ポイって捨てるだけ。手軽なゴミ捨てとその代償
「紙パック式は旧式だ」というイメージを持っている方も多いかもしれません。僕もそんなイメージがありましたが、いざ使ってみると、ことゴミの取り扱いに関しては、紙パック式は紙パック式なりのアドバンテージがあるんです。
先に述べた「ゴミが見えない」という点以外にも、サイクロン式掃除機のように、掃除が終わるたびにダストボックスの容量を確認して、おゴミさまが飛び散らないようにゴミ箱に優しくシュートする必要はありませんし、掃除後にフィルターが目詰まりして「掃除後に掃除機の掃除をする」といった禅問答のようなこともありません。
ゴミで一杯になったら、パックをポイして交換するだけ。吸引力が落ちにくいのがサイクロン式の強さなら、この手軽さが紙パック式の強さです。
ただし、紙パックの容量に関しては…。コメントし辛いところがあります。
本体がスリムであるため、ゴミパックの容量は0.25Lと極小。1年間分の紙パック(12枚)が付属しますが、1年分というのは、週4で掃除して、1日1gのゴミを吸った場合の想定です。こればっかしは「いや、その理屈はおかしい」と心からツッコミたいポイントでした。
実際、どのくらいでいっぱいになるのか?というのは家の広さ、掃除の頻度、ペットの有無によって大きく変わるので、ズバリいうのは難しいところ。我が家で使っていた限りですと、ロボット掃除機と併用してスポット的な利用であれば思いの外ゴミは貯まらずに、想定どおり12枚で1年は過ごせるかな…? ギリギリかな? といった感じでした。これが、毎日家中を掃除機掛けしたい! という場合は正直キツイと思います。犬や猫が居ればなおさら。
紙パックの宿命としてゴミが貯まると吸引力も低下するため、これは奥深い問題ですね。紙パックの価格は12枚入りで1,200円。住環境によってはランニングコストが気になるかも。
吸引力は及第点をクリア。でも対・粉性能が最低すぎる
何かを伸ばせば何かが凹むという天秤量りで成り立っているのがコードレスタイプの掃除機。最強ではないポイントも当然ながらあります。
スタミナ性は通常モードで約30分、強モード(ボタン長押し)で約7分。通常モードでもなかなかに吸引力は高くて、一戸建ての家中は余裕で掃除できます。年末大掃除では息切れを起こすかもしれませんけど、コードレスタイプの中では平均値なので、本体の軽さ・サイズを考えたら御の字でしょう!
僕はもっぱら静かな通用モードを利用しています。通常モードはかなり静かで、夜でも問題ないレベル。ドライヤーの音といい勝負か、それよりも小さいかも? また、床に落ちているホコリや髪の毛を吸い取るといった普段の掃除なら通常モードで十分でしょう。
重曹ベンチはこんな感じです。ちなみに強モードで挑戦しました。軽量ながらパワーが強く、パワーブラシの効果も相まって細かな重曹もしっかりと吸引してくれます。
ただし、良い評価の裏で最低なのがこの現象。
砂や粉モノばかりを吸うと、本体を下に向けて揺らしたり、振動を与えると紙パックの中や、ヘッド部の隙間から粉がこぼれ落ちてしまいます。今回はたくさん吸ったので、それはもうドバーっとぶちまけることになりました。
重曹は振れば振るだけ降ってきます。
紙パックからあふれた重曹は紙パック収納部に溜まっていたり、ヘッド部の内部から降ってきたり。キレイになったカーペットが、フローリングが不条理に白く清め(?)られていくという、あまりの出来事に頭が整理できず、ただただレミオロメンを口ずさむだけでした。ねぇ、心まで白く染められたなら…Ah…。
さすがにこれは量を吸い込みすぎたんだろう、きっとそうだ。と、紙パックを変えて、5g(小さじ1杯)の重曹で再テストしましたが、その場合も床に2回ほどドンドンと振動を与えると重曹は降り注いできました。カーペット掃除の秘訣などでよく紹介されている「重曹をカーペットにふりかけてから掃除機で吸う」なんてライフハックをやった日には悲しいことになりそうです。
これって紙パック式特有のあるあるなのだろうか? と思って、先日レビューしたマキタの掃除機で試したところ、マキタ機は吸った後に本体を降ってもドカドカしても、粉は舞い落ちませんでした。
でも、安心してください。ホコリや髪の毛といったゴミの場合ならそういった惨事は起こりません。日常的に「小麦粉ぶちまけちゃった☆ いっけな〜い粉末・粉末♪」といったドジっ子ではない限りは、普通に使えるはずです。でも、とにかく粉や砂を吸ってはいけません。一時的に上に上がって、そして落ちてくるだけです。
次期ロット、次期モデルでは密閉性があがると嬉しいですね…。
掃除とサヨナラはできないけれど
TC-E261Sの「掃除をする日が消えた」というキャッチコピーは、インパクトがあります。手軽に掃除できれば、「掃除をしなきゃ」という予定も消えるはずだ。という思想ですね。たしかにTC-E261Sにはそうしたコンセプトが体現されていて、手軽に取り出せて、手軽にかけられて、ゴミ捨ても手軽。と、さまざまな「軽さ」のメリットを最大化しています。
もちろん、そこを目指すために引き換えにした部分もあるし、なかには最低な点もあります。これは掃除機を求めるすべての人に最適な選択肢ではありません。でも、手軽さを突き詰めたニーズに対しては、選択肢のひとつとなるはず。
評価をまとめますと、
・抵抗感なくリビングに置けちゃう・軽くて、階段は本当に楽、ヘッドも小回りが利く・比較的静かで夜でも掃除できそう・ロボット掃除機とタッグを組ませると手軽さがUP・紙パック容量は物足りない・粉は吸うようにできていない。吸うな!絶対だ!
最後の掟を破ると、深夜にモグワイに餌を与えるよりひどいことが起こります。
いやぁ〜…ここまで得意・不得意がはっきりしているものが登場するなんて、掃除機って本当に奥が深くて最高です!
今回レビューしたツインバード「TC-E261S」は、以下のアンケートにお答えいただいた方の中から抽選で1名にプレゼントします!
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ツインバード コードレススティッククリーナー シルバー TC-E261S31,840円
Image: 小暮ひさのりSource: ツインバード(小暮ひさのり)