30

May

最新コードレス掃除機「Dyson Cyclone V10」発表。ダイソンの理想と効率を求めた答え

デザインチェンジ。ストレートなフォルムへ。

本日3月20日、ダイソンから新しいコードレススティッククリーナー「Dyson Cyclone V10」が国内で発表されました。先日、米Gizmodoのレビューで絶賛されていたアレですね。発表会では創業者のジェームズ・ダイソン自らその魅力を語るとともに、今後コード付き掃除機は開発しないとも述べています。つまり、そこまでの自信作。

今回はマイナーチェンジではなく、先代のDyson V8から完全にモデルチェンジしたおニューなモデルです。価格はダイソンの直販サイトで6万9984円から。

見た目はガラッと代わり、世代が1つ上がった事実を感じられますね。なぜこのデザインになったのか?と言うと、やっぱりパフォーマンスアップのため。

このフォルムになったことで、空気の流れが直線的になり、より吸引力が向上しているとのこと。まるでバズーカのような見た目は好き嫌い別れるかもしれませんけど、性能・機能を追求した哲学だと思うと、なるほど。となるはずです。

こちらが心臓部になる、新たに開発された「ダイソン・デジタルモーターV10」。前モデル「V8」よりも吸引力が増しながらも、軽量化・小型化が図られています。また、シャフト部はスチールの3倍の硬度ながら密度は約半分のセラミックシャフトを採用。毎分最大12万5000回転というパワーに耐えられるように、素材から見直されているという徹底っぷりにはロマンさえ感じさせられますね。

また、モーターには圧力センサーが内蔵され、現在地の高度や気圧などで最適な吸引力を発揮できるようなチューニングが施されているようですよ。この圧力センサーによって、ノズル詰まり時にはLEDで通知されるといった機能も追加され、ユーザビリティの向上にも一役買っています。

ダイソンの掃除機ではおなじみのデモンストレーションをはじめ、自分でも試してみましたけど、吸引力は言わずもがな。「ダイソンだな! ダイソンの新作が出たんだな!」と十分に納得させるものでした。

また、個人的に驚いたのがサウンドです。

旧モデルと比べて明らかに耳障りなモーター音が少なくなっています。これはモーターがリニューアルされたとともに、耳障りに感じる周波数帯を低減させるような内部チューニングが施されているとの解答でした。

また、本当に細かな調整点ですが、以前のモデルよりもトリガーを離したときにモーターが緩やかに回転数を落としていく様子。それが、振動としてダイレクトに手を通じて伝わるようになっていました。トリガーもフェザータッチで引けて気持ちがいい、トリガーを離したときの振動も気持ちいい。掃除機を触っていて気持ちよさを感じたのはこれが初めてです。

最新コードレス掃除機「Dyson Cyclone V10」発表。ダイソンの理想と効率を求めた答え

「でも、クリアビン(ゴミ集まるところ)」の下にノズルが付いてたら、振り回したらゴミが落ちるんじゃ?」

って思うじゃないですか。僕も思ってたんです、確かにこの構造はパワーを発揮するために理想的だけど大丈夫なのかな…?って。お答えします、大丈夫でした。

ノズルのアタッチメント部はクリアビンの外側に出ているため、ノズルを外しても溜まったゴミがこぼれ落ちてくることはありません。また、ノズルの周りにもラバー製のスクレイパーが装着されていて、気密性を保っています。これならたしかに、いくら下に向けて振っても大丈夫。もちろん上に向けても。

また、ストレート化によって、今までよりも若干ゴミ箱に深く突っ込んでからゴミを捨てられます。ゴミが舞う問題も少しは解消されていそうですね。ただし、ノズルを取り外さないとゴミ捨てはできない…かも。これはちょっとだけ面倒なポイント。

また、旧シリーズまではゴミが溜まるクリアビンはサイクロン部の下にあったため、掃除機を動かしている最中にゴミがたまる様子を見ることはありませんでした。掃除が終ってから「うわ、こんなに取れたんだ…」を実感することになるわけです。

一方こちらは常にクリアビンが視界に入り、ゴミが溜まっていく様子を見られます。これを良しと取るか、否と取るかも人それぞれかも。

「お〜、取れてる取れてるぅ♪」と、リアルタイムにゴミが溜まっていく様子を見ることで、掃除している実感がある、という意見もあれば、視点の先に常にゴミが見えているというのはあまり気持ちのよいものではない、という意見も。

これに関しては皆さんがどう思うか?を知りたいところです。

僕はどちらかと言うと後者、ゆえにこのデザインは手放しでは喜べないところなんです。それでも! 信頼できる吸引力、効率化によるバッテリー時間の向上、モーター振動のフィーリング、フィルターも1つになってメンテナンスも簡単に。…と、このV10から僕らが得られるものを考えたら、十二分に納得できるトレードオフなんですけどね。

なにより、僕がこのDyson Cyclone V10から感じたものは、さまざまなアプローチ、さまざまなテクノロジー、さまざまなアイデアをひたすら研ぎ澄まし、「掃除機の理想」に愚直に向き合い続けたダイソンの姿勢です。

吸引力は確かですし、利用時間もついに最大60分に届きました。重量感はあるものの、前モデル「Dyson V8」と比べたら、スペック値で300gも軽くなっています。そう考えると、本当にコード付き掃除機の座を奪う存在に到達…したのかな? そのあたりはどうか皆さんが触ってジャッジしてみてください。

僕としては、少なくとも一般家庭での利用シーンでは、この1台で用が足りないという姿を思いつきません。

※2018年3月20日22時20分追記:兄弟メディア・ライフハッカー[日本版]で、吸引力の高さを動画で紹介するなど、ちょっとちがった角度からDyson Cyclone V10をレポートしています。気になる方はこちらも合わせてお読みください!

Photo: 小暮ひさのり, かみやまたくみSource: Dyson(小暮ひさのり)